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強い農業へ本腰 滋賀県、普及指導員育成へ計画策定

産経新聞 5/19(金) 7:55配信

 農家らに技術指導などを行う普及指導員の高齢化に、県が頭を抱えている。普及指導員の半数近くが50歳代で、ベテラン職員の大半が今後10年間で退職を迎える。一方で、農業技術の高度化など普及指導員の必要性は高まっている。県は「強い農業」の実現を目指して人材育成計画を昨年度末に策定し、若手指導員の育成に本腰を入れ始めた。

 普及指導員は、農業者に技術指導を行ったり、経営改善のための方策をアドバイスしたりする専門職。県の農業職で採用された職員が、実務経験を積んだ後に国家資格を取得し、県内6カ所の普及センターで勤務する。

 県農業経営課によると、県全体の採用人数の減少に伴い普及指導員も減少傾向にあり、平成20年度に122人だったのが、28年度は98人と2割程度減った。年齢構成を見ると、28年度は51歳以上が48人に対し、31~40歳が9人、30歳以下が11人と若手が少ない。今後10年間で半数近くが退職し、指導力の低下が懸念される。一方で、農林水産省の農林業センサスでは、県内の基幹的農業従事者数は22年に1万207人だったのが、27年には1万1170人に増加。毎年100人程度の新規就農者がいる上、農業技術のハイテク化や6次産業化などの経営の多角化もあり、普及指導員の需要は高まっているという。

 計画は、職員の経験年数に応じて求められる資質や研修の取り組み内容などを明記。採用から3年程度で資格を取得するとしているが、その後も20年以上にわたって研修を行い、総合的な指導力や資質を身につけていく。

 電子メールを使って研修を行う「e-ラーニング」では、若手職員らに県内の農業に関するレポートを提出させ、ベテラン職員らが添削する。一人一人の理解度に応じて、研修内容を変更し、普及指導員に必要な情報伝達能力を養う。また、データによる栽培管理など農業技術のハイテク化に対応するため、ICT研修も実施する。今年度は新入職員6人を普及センターに配置し、先輩指導員の補助などの実地訓練を行っている。同課の担当者は「優秀な指導員を育成することで、農業の担い手を育てて特徴ある産地を作り、地域活性化へつなげていきたい」と話している。

最終更新:5/19(金) 7:55

産経新聞