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モラー氏「捜査 最大限に能力発揮」 トランプ氏の敵か味方か

産経新聞 5/19(金) 7:55配信

 【ワシントン=加納宏幸】米大統領選でのロシアとトランプ陣営のつながりに関する疑惑の捜査を特別検察官として指揮するロバート・モラー元連邦捜査局(FBI)長官(72)は、トランプ大統領が解任したコミー前FBI長官の前任で盟友としても知られる。トランプ氏がコミー氏に捜査の中止を求めたとされる問題が浮上する中、司法省には捜査の独立性を強調する狙いがあるが、疑惑が尾を引くのは必至だ。

 モラー氏は17日、「責任を引き受け、私の能力を最大限、発揮する」との声明を発表した。

 キスリャク駐米ロシア大使との接触により捜査に関与しないとしているセッションズ司法長官に代わり、ローゼンスタイン同副長官が、モラー氏に対して「ロシア政府とトランプ陣営に関係する個人のつながりや調整」の捜査を命じた。モラー氏には連邦犯罪を起訴する権限も与えられた。

 モラー氏は連邦検事を経て、2001年9月の米中枢同時テロ直前にブッシュ(子)政権のFBI長官に就任。米メディアによると、国内での諜報活動をFBIから切り離す動きがあったとき組織防衛に動いてFBI内部の信頼を獲得。同政権が令状なしの通信傍受に動こうとした際には、司法副長官だったコミー氏とともに反対したという。

 オバマ前大統領からもテロ対策で組織改革に果たした手腕が評価され、10年の任期が2年延長され13年までFBI長官を務めた。

 モラー氏の下での捜査はキスリャク駐米ロシア大使と就任前にオバマ前政権の対露制裁を協議したことで辞任したフリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とロシアの関係や、陣営幹部への資金の流れに主眼が置かれるとみられる。

 米CNNテレビは、ローゼンスタイン氏が疑惑の渦中にあるセッションズ氏に知らせずモラー氏の起用を決め、ホワイトハウスに伝えたのも発表直前だったと伝えた。

 トランプ氏にとり、モラー氏が敵となるか味方となるかは捜査の進展次第だが、特別検察官の任命を求めてきた野党・民主党はモラー氏を歓迎。捜査が数年かかる可能性もあり、政権への影響は避けられない。

最終更新:5/19(金) 7:55

産経新聞