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トランプ氏、「中東版NATO」構想発表へ サウジ主導の地域安保後押し

産経新聞 5/19(金) 7:55配信

 ■イラン反発も

 【ワシントン=黒瀬悦成】米ホワイトハウス高官は17日、トランプ大統領が初外遊先のサウジアラビアで21日、「北大西洋条約機構(NATO)の中東版」となる、地域の多国間安全保障の枠組みを構築していく構想を発表すると明らかにした。

 トランプ氏はサウジのサルマン国王との共催で、同国の首都リヤドにイスラム人口の多い54カ国の代表を招いて国際会合を開き、構想について説明する。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討が完了し次第、実現に向け動き出すとしている。

 同高官は「サウジは地域の盟主となり、ISとの戦いを率い、イランの脅威への対処で各国を束ねることを望んでいる」と述べ、将来の「中東版NATO」構想がサウジ主導で進められる見通しを示唆した。

 トランプ氏が初外遊先としてサウジを選んだのは、サウジが敵視するイランとの関係構築に動いたオバマ前政権の中東政策との決別を打ち出す狙いがある。

 トランプ政権は特に、イランが2015年に米欧と核開発の制限で合意したにもかかわらず、核武装の意思を捨てていないとみる。実際、米政府は17日、イラン核合意に基づく対イラン制裁の解除を、当面維持する方針を明らかにする一方、イランの弾道ミサイル開発に関する追加制裁を発表し、対イラン圧力を緩めない立場を改めて鮮明にした。

 トランプ政権のサウジ重視は、サウジを軸とするイスラム教スンニ派国家連合によるシーア派国家イランの封じ込めと、サウジ主導の地域秩序の構築を後押しすることに他ならない。イラン包囲網の構築はまた、同国の弾道ミサイルを警戒する米国の枢要な同盟国、イスラエルの懸念を和らげることにもつながる。

 しかし、イランなどのシーア派勢力が一連の動きに反発するのは必至だ。イランで大統領選などを経て保守強硬派が台頭する事態となれば、域内の宗派対立の先鋭化を招き、両派が混在するイラクなどで治安が一層不安定化する恐れも否定できない。

最終更新:5/19(金) 7:55

産経新聞