ここから本文です

GDP年2.2%増 「外需頼み」の長期成長 米政治混乱、下押しリスクに

産経新聞 5/19(金) 7:55配信

 平成29年1~3月期GDPが5四半期連続でプラス成長となったのは、世界経済の回復を背景に、輸出がアジア向けを中心に好調だったことが大きい。内需の要である個人消費も堅調だったが、野菜価格高騰という昨年10~12月期の下押し要因が解消したことが大きく、実際は勢いを欠く。トランプ米大統領のロシア絡みの疑惑など海外の政治情勢は波乱含みで、牽引(けんいん)役の輸出が後退すれば日本経済の回復が鈍化しかねない。

 「消費者心理が若干持ち直した上、海外経済が予想以上に良く、輸出が増加した。日本経済は緩やかな回復基調が続いている」。石原伸晃経済再生担当相はGDP発表後の記者会見でこう分析した。

 輸出を主に引っ張ったのは「アジア向けの半導体製造装置や自動車部品」(内閣府幹部)だ。ソニーは29年1~3月期に、スマートフォンのカメラに使う画像センサーの販売数量が輸出向けなどで大幅に伸び、半導体分野の売上高が前年同期比36%増加した。

 輸出として計算される訪日外国人客の消費も堅調で、西武ホールディングスは「客室単価が高い施設に泊まる欧米人を中心に、訪日客を積極的に取り込む」(高橋薫常務)と、ホテルの新設や改装計画を加速する方針だ。ただ内需は力強さを欠く。1~3月期の個人消費は数字上、好調だったが「10~12月期が弱かった反動の側面がある。景気回復の実感は得られにくい」(明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミスト)。

 品目別でも消費拡大はスマホや衣服などに限られ、「国内化粧品市場は訪日客向けを除けば横ばいか縮小気味だ」(資生堂の直川紀夫最高財務責任者)との声が出ている。

 一方、世界経済の回復を背景に、設備投資は「回復基調にある」(内閣府幹部)。トヨタ自動車は30年3月期に1兆円超計画。ソニーも29年度内に総額1100億円で大分県の工場増強などを行い、三菱電機も人工衛星の世界シェア拡大に向け、設備増強策を打ち出している。

 だが、先行きについては「海外動向が国内景気を押し下げるリスク要因になるか、みる必要がある」(全国銀行協会の小山田隆会長)との警戒感も強い。

 トランプ政権の混乱が好調な海外経済に水を差し、輸出や設備投資の停滞を招く恐れも否定できない。

最終更新:5/19(金) 7:55

産経新聞