ここから本文です

<イラン大統領選>投票始まる

毎日新聞 5/19(金) 21:03配信

 【テヘラン篠田航一】任期満了に伴うイラン大統領選の投票が19日、全土で始まった。再選を目指す現職の保守穏健派ハッサン・ロウハニ大統領(68)と、保守強硬派のエブラヒム・ライシ前検事総長(56)の事実上の一騎打ち。開票は19日夜から始まり、20日中に大勢が判明する見通し。18歳以上の当日有権者数は5640万人。

 争点は経済だ。核開発の制限を受け入れる代わりに経済制裁を解除する2015年の「核合意」を主導したロウハニ師は当初、圧倒的な優位が伝えられていた。だが制裁解除後も失業率が高止まりする中、「雇用確保」などを訴えるライシ師が低所得者層を中心に支持を拡大。同じ保守強硬派のガリバフ・テヘラン市長が途中で撤退してライシ師支持に回り、強硬派の票の一本化もあり、予想外の接戦となった。

 テヘラン市内では小学校などに投票所が開設され、市民が列を作った。ロウハニ師に投票した貿易会社員のマノーチェさん(62)は「この4年間で社会の雰囲気が変わった。(イスラム教シーア派が多数のイランで)スンニ派の人も堂々と信仰を語るようになり、シーア派の人々と協力して仕事をしている。この空気を維持したい」と話した。一方、ライシ師に投票した鉱山会社員のアリさん(36)は「採掘した鉱物資源は中国に安く買われるばかりで、ロウハニ政権は対策をとらない。外国の言いなりにならないライシ師に期待する」と語った。

 投票率も注目される。経済開放路線や物価の安定を重視する若者や女性の多くは、インフレ抑制に取り組んだロウハニ師を支持。一方のライシ師は、1979年のイラン革命後、革命の理念を守るために創設された軍事組織「革命防衛隊」や宗教界の一部などの組織票に支えられている。投票率が上がれば浮動票がロウハニ師に流れ、下がれば固定票の強みを発揮するライシ師が有利になるとみられる。

最終更新:5/19(金) 22:48

毎日新聞