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<米通商代表部>国際デビューのライトハイザー氏発言に注目

毎日新聞 5/19(金) 22:53配信

 ベトナム・ハノイで20日開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合に、15日就任したライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が出席する。ライトハイザー氏にとっては国際会議デビューとなり、貿易相会合と並行して世耕弘成経済産業相ら関係国との個別会談を精力的にこなす予定だ。

 「初顔合わせなので、できるだけ向こうの意見をうかがいたい」。世耕氏は19日の閣議後の記者会見で、ライトハイザー氏との会談に意欲を示し、「日米で高いレベルの貿易投資ルールを作っていく日米経済対話の線に沿い、有意義な議論ができれば」と述べた。

 しかし、ライトハイザー氏は楽な交渉相手ではない。日米貿易摩擦が深刻化した1980年代、レーガン政権でUSTR次席代表を務めるなど経験が豊富で、「米国第一」を掲げるトランプ政権の対外政策を担う要の一人と見られている。日本など対米黒字国に貿易不均衡是正に向けた一段の市場開放を迫ってくるのは確実だ。

 ライトハイザー氏は3月に開かれた米議会公聴会で「農産物の市場開放で日本は第一の標的だ」と述べ、「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を強化した交渉内容を得たい」と表明。カナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)見直しでは、相手国の通貨政策を制約する「為替条項」導入を検討する考えとされる。

 これに対し、日本政府はAPEC貿易相会合と並行してハノイで開かれるTPP閣僚会合で、1月に離脱表明した米国を除く参加11カ国による結束を確認、TPPの合意水準に沿って対米交渉に臨む構えだ。市場開放の水準をめぐる日米の思惑は食い違っており、今後の交渉の大きな焦点となる。

 日本同様、APEC加盟国も対米輸出の依存度が高い国が多く、米国から厳しい要求を突き付けられる恐れがある。ライトハイザー氏が初参加の国際会議で何を語るのかが、貿易相会合の注目点となりそうだ。【片平知宏、ハノイ赤間清広】

最終更新:5/19(金) 22:53

毎日新聞