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民進・蓮舫代表、提案型のご都合ぶり 「反対だけはしないんです!」と言っていても9条改正にはダンマリ…

産経新聞 5/19(金) 10:35配信

 民進党の蓮舫代表(49)を主に担当する番記者となって2週間が過ぎた。わずかな期間だが、蓮舫氏にはその芯の強さとともに違和感も感じた。東京都議選(7月2日投開票)の街頭演説などで、これまで掲げてきた“提案型路線”を言葉の端々に感じた。国政で目立った成果をあげられていない路線だが、地方選でもそれを貫き通すところが蓮舫氏らしい。一方、憲法改正をめぐり、安倍晋三首相が民進党に「対案」を求めても、「提案型」はなりを潜めている。

 「私たちは、反対だけはしないんです!」

 大型連休最終日となった5月7日の京王線笹塚駅前(東京都渋谷区)。マイクを握った蓮舫氏は、抑揚をつけながらこう述べると、都政の課題を挙げ始めた。

 まず、2020(平成32)年の東京五輪・パラリンピックについてだった。「夢のある話は分かりやすい。だが、不都合な真実に目を向けるのが政治だ」と語り、平成10年の長野冬期五輪に合わせてつくられた競技場などの維持費が現在、自治体を苦しめていると指摘した。人口減が避けられない五輪後の東京を見据えた視点が求められると“提案”した。

 そして、待機児童数の減少を目指した保育士の給与増や、経済的な理由から就学援助を受けている児童・生徒の解消に向けて、「税金の再分配が欠かせない」と主張した。そうした視点を持った都議が、13兆円を超える都の予算を扱うには重要だと“提案”した。

 さすが、民主党政権時代に「仕分けの女王」として脚光を浴びた蓮舫氏の人気は底堅く、演説終了後は握手を求める人に囲まれた。

 ただ、民進党の都議選は危機的な状況にある。公認候補予定者は党勢低迷の中、当初の36人から14人が「沈みかけた船」から逃げ出せとばかりに離党。国政選挙の先行指標に位置づけられている都議選の結果次第では「蓮舫降ろし」の動きも本格化しかねない。

 蓮舫氏の周囲には冷ややかな雰囲気も漂う。執行部の一員でもある細野豪志前代表代行は教育無償化などを柱にした憲法改正私案を公表し、蓮舫氏との違いを鮮明にした。女房役である野田佳彦幹事長からは、離党した長島昭久元防衛副大臣を「最低だ」と評した蓮舫氏の発言について、「表現はよく練って、きちっと伝えなければならない」と苦言を呈された。

 こうした苦境にあっても、提案型を主張し続ける蓮舫氏の姿勢はよくも悪くも揺らがない。

 党代表選で発覚した台湾籍との「二重国籍」問題で、説明が二転三転しながらも、台湾籍が残っていたとは知らなかったとの立場を貫き通した姿勢とどことなく通じるものがある。

 蓮舫氏の言う提案型路線はご都合主義なのではないか。それを象徴する場面が、5月9日の参院予算委員会だった。

 蓮舫氏は、読売新聞の取材に2020年の新憲法施行に意欲を示した安倍晋三首相(自民党総裁)を「国会で説明する責任を放棄している」と執拗に追及した。しかし、安倍首相が民進党に憲法改正に関する具体的な提案を求めても、一向に応じるそぶりは示さなかった。「絶対護憲」を掲げる共産党との選挙協力がちらついているようだ。

 蓮舫氏は党代表選中の昨年9月、産経新聞のインタビューにこう答えている。

 「批判しかないと思われているところに提案を出し、政策の選択肢を示す。これが積み重なって信頼となる。次の選挙で選択してもらえる政党なのかとの『みそぎ』だ」

 蓮舫氏には今こそ、この時の回答を、貫き通してもらいたい。

(政治部 奥原慎平)

最終更新:5/19(金) 10:35

産経新聞