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(朝鮮日報日本語版) 【コラム】韓国政府だけが描くバラ色の国民所得3万ドル構想

朝鮮日報日本語版 5/20(土) 7:02配信

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の任期中に1人当たり国民所得が3万ドルを超えると考える国民は24.6%しかいない。就任直後の文大統領は真っ先に雇用を増やそうとし、所得中心の成長を強調。仁川国際空港公社を訪れては「公共部門で非正社員ゼロ時代を切り開く」と語るなど東奔西走しているにもかかわらずだ。

 冒頭の数字には、大統領府(青瓦台)が納得しないであろうが、丁世均(チョン・セギュン)国会議長の事務室がギャラップに依頼して4月5日に実施した調査の結果だ。調査当時、大統領選で支持率トップの最有力候補だった文大統領は、共に民主党の候補に決まっており、雇用創出を柱とする公約も掲げていた。公共部門での81万人分の雇用創出も約束した。調査は全国の満19歳以上の男女1011人を対象に電話で実施した。性別、年齢、地域別人口に比例して任意抽出し回答者を選んだ。設問は「いつ国民所得が3万ドルを超えるとい思うか」だった。

 「今年」という回答は0.1%だった。「18年」は1.5%、「19年」が3.9%、3年後の「20年」が12%、「21年」が7.1%だった。そして、文大統領の任期末となる「22年」が13.2%だった。21年までの合計で24.6%、22年まででも37.8%にとどまった。その後、「23年」が2.8%、「24年」が1.5%、「25年」が4.2%、「26年」が8.9%と続き、10年後以降の「27年以降」という回答が5.4%だった。このほか、「永遠に不可能」との回答が15.8%あった。「分からない・無回答」は23.6%だった。

 国民所得3万ドルは先進国入りのハードルだ。韓国は2006年に2万ドルを超えたが、10年にわたり3万ドルの壁を乗り越えられずにいる。2万ドル突破から3万ドル突破までの所要期間は、日本の場合は4年にすぎなかった。ドイツ・デンマーク(6年)、米国・オーストラリア(9年)などが10年以内だ。韓国国民はシンガポール(12年)やイタリア(14年)よりも時期が遅れるとの悲観的な見通しを抱いている。アフリカの最貧国水準の国民所得から「漢江の奇跡」を成し遂げ、世界10位圏の経済大国に成長したものの、韓国国民は韓国経済に対する信頼を失いつつあるように見える。

 文大統領が5年間の任期中に解決すべき最大の宿題はまさにこれだと思われる。雇用と所得増大も大切だが、薄れゆく韓国経済に対する自信感を取り戻すことが急がれる。韓国経済に活力を吹き込み、再び飛躍できるようにする方法を考えなければならない。

 政府が創出する雇用や政府がばらまく所得だけでは、国民所得が3万ドルを超えるのは難しそうだ。政府の力で雇用問題を解決するには限界がある。昨年1兆ウォン近い純利益を上げた仁川国際空港公社なら可能だろうが、全ての非正社員を正社員に転換する余裕がある政府系企業はそれほど多くはない。640万人を超える非正社員の94%が中小企業で働いていることも現実だ。公共部門で81万人分の雇用を創出するという公約も考慮すべき部分があるように思える。ソウル・鷺梁津にある公務員試験専門の予備校だけが2倍に増えたといった話は聞きたくないものだ。

最終更新:5/20(土) 7:25

朝鮮日報日本語版