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性産業の抑制は難しい、タイ「罪の街」

AFPBB News 5/19(金) 8:40配信

(c)AFPBB News

【5月19日 AFP】性産業に従事するメイ(May)さんは、タイの軍事政権が性産業を管理しようとしているにもかかわらず、同国の「シン・シティー(Sin City、罪の街)」として知られるパタヤ(Pattaya)は生き残ると自信満々に予測する。

 メイさんが強気なのは、性産業に従事する他の大勢と同じく、今の仕事を辞める気などさらさらないからだ。それに性産業目当てにタイを訪れる大勢の外国人観光客が減少する気配も全くない。

 首都バンコク(Bangkok)から東に約2時間の距離にあるパタヤには、ベトナム戦争(Vietnam War)時代に、休暇中の米軍の兵士たちが羽目を外して楽しむ場所としてわい雑なイメージがついた。

 そのイメージが今では金を生み、同国の性産業従事者の中には、月に、国民の平均賃金の最大10倍となる7万~15万バーツ(約23万~49万円)を稼ぐ人たちもいる。

 しかし未成年の性産業従事者、薬物の乱用、犯罪組織による性産業ビジネスの運営などがパタヤの評判をさらに汚しているばかりか、国のイメージへの影響を懸念する声が上がっており、当局は行動を起こさざるを得なくなっている。

 トランスジェンダーのメイさんによると、軍事政権による浄化対策の一環で警察官や兵士たちが頻繁に巡回していることを受け、パタヤはここ数週間、いつもより活気がないような気がするという。

 パタヤから性産業を引き離すことは、果てしない無駄な仕事の極致だと考えている人は少なくないかもしれないが、そんな仕事に当たっている地元の警察幹部は「われわれはみだらで下品なショーを抑制している。こうした店を消し去ろうと努力している」と語る。

■性産業は金のなる木、警察も黙認

 そう語るこの警察幹部の背後では、露出度の高い服を着た女性たちが並び、「パタヤで一番魅力的な女の子たち」とうたった店に客引きをしている。

 別の地元警察の幹部は「そこで働く女性や女装した若い男性たちは、売春に関与していない」と、一般的に現実を踏まえない、ある種のタイ警察のレトリックを繰り返した。

 パタヤの大勢の住民にとって、今回の取り締まりもお決まりのパターンだ。海外で否定的なニュースが見出しを飾り、それを受けて当局が「目立ちはする」が「限定的」な性産業の取り締まりを行う。住民の生活を支えているのは性産業だからだ。

 店の所有者、女性たち、マッサージ店、ホテル、タクシー、マフィア、さらには多くの住民らが主張するように、取り締まりを担当している警察官たちにとっても、性産業は金のなる木だ。

 20年間にわたってタイの犯罪を取材してきた英ジャーナリストのアンドルー・ドラモンド(Andrew Drummond)氏によると、タイの人々はこうした状況を「ポン・プラヨーテ(pon prayote)」と呼ぶ。同氏によると、「(ポン・プラヨーテとは)みんなの利益になることを意味し……大金を生み出すもので、警察の黙認なしにはまず成立しないものだ」と語った。

 保守的なタイで売春は違法とされているが、タイ人、外国人を問わず顧客を相手にそこかしこで行われている。

 業者たちは訴追を避けるために使い古された抜け道を使う。店側は、店内でただ客と話をして楽しませるだけという名目で女性らを雇う。

■観光客のすべてが性産業目当てではない

 だが、通常500バーツ(約1600円)ほどの少額の「バーファイン(bar fine)」という別料金を支払えば、店外に「短時間」連れ出すことができる。店の外で性行為のためのどんな取引がされようと、それは完全に客と性産業従事者の間のことというわけだ。

 当局が売春を根絶すると誓ってきた一方で、そうなった場合に大家族を支える存在であることも多い性産業従事者がどうなるかについての議論はほとんど行われてこなかった。

 正確なデータはないものの、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2014年の報告書によると、タイ全土では約14万人、パタヤだけでも数万人の女性が性産業に従事していると推定される。

 観光当局は、パタヤのリゾート地を訪れる家族連れの数が増加し、ジェットスキーやゴルフといったスポーツの人気も高まっているとした上で、変化について楽観的な見方を示している。

 ホテル2000軒、10万部屋以上の収容能力があるパタヤを昨年、訪れた観光客は約1200万人。ある観光当局者は、パタヤを訪れる観光客のすべてが性産業目当てではないので、同市の悪評や犯罪絡みでの報道は問題だと認めている。

 10年前にパタヤに移住し、今では10軒ほどの店を所有する英国人は「(英中部)コベントリー(Coventry)にいた頃夜に外出すると毎晩1件か2件はけんかがあったものだ。ここは平和そのものだよ」と語った。

 しゃれたホテルやショッピングモール、ゴルフコースの存在によって、パタヤのパーティーのイメージと足並みをそろえて繁栄していくことができると語る人もいる。3月29日撮影。(c)AFPBB News

最終更新:5/19(金) 14:08

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