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<北朝鮮内部>巡航ミサイル攻撃怖れ非常訓練も物資・食糧不足で混乱 古タイヤで陣地防御 栄養失調の兵士も増加

5/19(金) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

4月中旬から、北朝鮮軍が巡航ミサイルによる攻撃に備えるためにトンネル陣地の防護壁の補強作業を始めているが、合わせて空襲に備えた軍部隊の非常訓練が実施されているものの、物資と食糧の調達が十分できず、栄養失調になる兵士が増えていることが分かった。(カン・ジウォン)

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◆古タイヤでミサイル攻撃に備えよと指示
清津市に駐屯するある部隊の現地関係者は、5月17日にアジアプレスに軍部隊の近況について伝えてきた。その内容を紹介しよう。

「最近、誘導ミサイルによる攻撃に備えて、全軍のトンネル陣地だけではなく、兵器や軍用車両が隠されているトンネルも、入口から20メートルの地点を古タイヤで覆うように指示が降りてきた。ところが、その古タイヤを集めるために、兵士たちは農場から牛車の車輪のタイヤまで盗んでいる。

以前にも古タイヤを集めろと指示があったのだが、どこの部隊も燃料が不足していて、集めたタイヤを暖房と炊事に使うために燃やしてしまった。(上部の)検閲があるので、今回また古タイヤを集めなければならないが、数日経てばまた薪代わりに燃すことになるだろう」

この軍関係者によると、トンネル陣地の防護作業と共に、空襲に備えた訓練も実戦さながらに行われているが、それを指揮する立場の将校から不満が上がっているという。

「5月17日時点で、(各部隊で)空襲に備えた緊急招集と避難訓練を2回以上行った。トンネル陣地の中で2日寝泊まりしたのだが、将校たちは『戦争が起これば核戦争になるんだから、土嚢を積んでトンネル陣地を守るより、(兵員は)トンネル陣地の中に入らずに散らばった方が戦闘力の維持に有効なはずだ』と批判していた」


◆非常戦闘準備続き兵士の食糧が不足
一方、空襲に備えての緊張が続き、部隊の食糧不足が深刻になっているようだ。この軍関係者は次のように述べる。

「中隊のうち一分隊だけが農作業をしていて食糧供給が不足している。特別な理由がなければ兵士の移動が禁じられているため、栄養失調者が増加している。一分隊10~12人のうち3人程が栄養失調だ。軍病院には栄養不足による結核患者が増えているが、薬がまともに供給されず、入院して15日が過ぎたら除隊させて出身地に送り返している」

この軍関係者は、非常訓練が「巡航ミサイルによる攻撃に備えよとの指示によるもの」と明言しており、米国によるトマホークミサイル使用を、金正恩政権が強く懸念していることがうかがわれる。


※アジアプレスでは北朝鮮内部に中国の携帯電話を搬入して国内事情を調査している。