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「本当にがっかり」 国後訪問団長・清水さん 渡航目的地行けず

北海道新聞 5/19(金) 10:22配信

出発心待ちにしていた

 【根室】18日に国後島から根室港へ戻った自由訪問団第1陣(59人)。団長を務めた清水征支郎さん(78)=釧路管内浜中町=は、2年9カ月ぶりの古里訪問だった。東沸(とうふつ)の墓地を訪れ、倒れたままになっていた先祖の墓を元に戻そうと、スコップとロープを持参。しかし、足を踏み入れることは認められなかった。根室への帰路、船上で行った洋上慰霊祭で古里の方角に手を合わせ、訪問できなかったことを先祖にわびた。

【動画】 国後・過疎の村のユニークな祭り(2015年)

 「何のために参加したのか」。根室港に下り立ち、怒りがこみ上げた。

 昨年12月の日ロ首脳会談を受け「今までより自由に散策できる」と期待した。2014年8月に訪問した時、過去の地震のためか墓石が転がり落ちているのを見た。気がかりを解消するため、ホームセンターで道具を買って出発を心待ちにしていた。

 それだけに「今回の結果には、本当にがっかりした。何が元島民のための規制緩和だ。経済協力だ」と思いをぶちまけた。

3か所すべて認められず離れた場所で慰霊祭

 今回、訪問予定だった太平洋側の瀬石(せせき)と東沸(とうふつ)、オホーツク海側のニキシロの3カ所すべてで、ロシア側は立ち入りを認めなかった。訪問団は瀬石とニキシロは墓地から数キロ離れた場所で、東沸は根室へ帰港途中の洋上で、それぞれ慰霊祭を行った。

 ビザなし渡航事業には《1》 ビザなし交流 《2》北方墓参《3》自由訪問―の三つの枠組みがあり、元島民らは全てで自由な墓参の実現を求めている。日ロ両首脳は昨年12月に元島民の高齢化に考慮した改善の検討を発表したが、ロシア側は「自由訪問は、首脳合意やプーチン大統領の発言の対象外」(政府筋)との立場を崩していない。

最終更新:5/19(金) 10:22

北海道新聞