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「貧困」受診遅れ58人死亡 福岡が最多の9人「氷山の一角」 民医連16年全国調査

西日本新聞 5/19(金) 6:20配信

 国民健康保険料を払えずに「無保険」状態になるなど、経済的理由で医療機関の受診が遅れて死亡した人が、昨年1年間に全国で少なくとも58人いたことが全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。都道府県別は福岡が最多の9人で、九州では熊本と宮崎が各1人だった。

 17日に福岡県庁で記者会見した福岡県民医連の洗川和也事務局長は「貧困や格差が拡大しており、今回の事例は氷山の一角」と指摘した。

 調査の対象は民医連に加盟する病院や診療所計641機関。福岡県の9人は40代から80代で、5人は無保険状態だった。

 県民医連によると、このうち子宮頸(けい)がんを患っていた70代の独居女性は、無保険状態の時期に治療を控えたため病状が悪化。救急搬送されてから3週間後に亡くなったという。

 福岡が多い理由について県民医連は「加盟する病院の規模が大きく、救急医療を行っているからではないか」とみている。2番目に多いのは東京だった。

 生活困窮者が経済的理由で医療機関の受診を控えないように、医療費を減額、または免除する「無料低額診療事業」が社会福祉法で定められているが、福岡県で実施しているのは民間の33医療機関にとどまる。

 県民医連は「この事業を多くの人に活用してもらうとともに、公立病院でも実施してほしい」と話した。

西日本新聞社

最終更新:5/19(金) 6:20

西日本新聞