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脳を食らい、肝臓を破壊!食材やペットに潜む危険な寄生虫

ホウドウキョク 5/19(金) 18:30配信

グルメブームやペットブームの影響で、増える寄生虫症。恐ろしい症状をもたらす寄生虫もいる

アニサキスが寄生しない魚はいない

流通網の発達で遠隔地の魚を生で食べる機会が増えたため、アニサキスの被害が近年、急増しています。

サバからはほぼ100%検出され、サケ、イカにも多く寄生します。その他、ニシン、イワシ、サンマ、ホッケ、タラ、マスなど、150種以上の魚介類から検出されています。ちなみに、養殖魚にはアニサキスの寄生がほとんど認められません。

腸に入った場合は、激痛に1週間耐えるのみ

アニサキスは胃や腸の粘膜へ歯を使って潜り込みます。この場合、魚介類を食べて3~4時間後に、キリで内臓を刺されるような激痛や吐き気に襲われます。胃に留まっている場合は内視鏡で取り除くことが可能で、つまみ出した瞬間に痛みが消えます。ただし、腸に到達してしまった場合は内視鏡では取れません。アニサキスは1週間程度で死にますが、それまで痛み止めを服用しながら耐えるしかないのです。

予防法は、魚介類を調理する場合に目視すること。白く細長いアニサキスが、内臓表面でとぐろを巻いていることがあります。調理の際には、しっかり加熱すること。また、-20度で24時間以上冷凍することも有効です。

脳を食い荒らす寄生虫

ブタの寄生虫;有鉤嚢虫(ゆうこうのうちゅう)は、ヒトの脳に寄生します。脳が食い荒らされ、脳内が虫だらけになるケースも。寄生されたヒトは、痙攣や意識消失、失明したり、死に至ることもあります。

有鉤嚢虫は、寄生したブタの肉を十分加熱せずに食べた場合や、感染したヒトの糞便に含まれる虫卵に汚染された水や食品で感染します。アジア、南アメリカ、アフリカ等の衛生状態が十分ではない国・地域では、特に豚肉には要注意です。

また、日本においては、輸入キムチからの感染報告が数例あります。

キタキツネには近づくな!

北海道在住者や旅行する方が注意すべき寄生虫は、エキノコックスです。というのも、北海道のキタキツネの感染率は何と60%!北海道で飼育されているイヌの1%が感染しているという報告もあります。これらのキタキツネやイヌの糞便に含まれる虫卵が、何らかの経路でヒトの体内に侵入して感染します。

エキノコックスはヒトの体内で幼虫となり、主に肝臓に寄生しますが、5~10年は無症状のまま。だから、知らず知らずに進行してしまうのです。末期には重度の肝機能不全となり、放置すると90%以上が死亡します。

患部の摘出が唯一の根治療法ですが、症状が出現した段階では取りきれない状態になっている事がほとんどです。北海道では、キタキツネと接触しないこと、土や草木などに触れたら手を十分に洗う等が重要です。

ジビエ料理で生焼けは厳禁!

他にも、ネコ等のペットから感染する寄生虫も多くあります。

そして最もリスクが高いのは、野生動物です。ジビエのレアステーキ等は絶対に避けるべきでしょう。食材にはよく火を通すことが、最も効果的な予防策です。

■高山哲朗先生 監修
平成14年 慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院を経て、平成24年 わたクリニック副院長。
医学博士。日本内科学会認定医。日本消化器病学会専門医。日本消化器内視鏡学会専門医。日本医師会認定産業医。
東海大学医学部客員准教授。予測医学研究所所長

最終更新:5/19(金) 18:30

ホウドウキョク