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「共謀罪」強行採決…県民から疑念の声 監視に不安、議論は尽くして

埼玉新聞 5/19(金) 23:17配信

 監視社会が訪れるとの不安は払拭(ふっしょく)されないままだった。与党は19日、野党の激しい反発を押し切り、衆院法務委員会で「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の可決を強行した。安全保障関連法に続く安倍政権の強硬姿勢に、怒号が飛び交う委員室。テロ対策か、内心の自由の侵害か。国会周辺では市民が抗議を続けた。「恣意的な運用が怖い」「議論は尽くされたのか」。埼玉県民からも疑念の声が上がった。

■戦争に走らないか不安/所沢市の会社員(65)

 一般市民が対象になり、電話やメールが当たり前のようにキャッチされてしまう。力ずくの強行採決で決められるのは恐い。共謀罪とか憲法9条を変えるとか次々に出てくる。だんだん世の中が変わってきて、戦争に走っていくのではないかという不安がある。

■言論の自由なくなる/さいたま市浦和区の主婦(74)

 自民党が多数でごり押しし、安倍さんは強弁をろうしている。民進党も情けない。取り締まりの範囲が絶対に広げられ、集まって話しただけで逮捕されかねない。言論の自由がなくなる。

■国民を無視/久喜市の元会社員(70)

 国民を無視している。今後(市民団体などが)集会をしたら監視されるのではないか。萎縮して集会に来ない人も増えるかもしれない。メディアリテラシーは重要。政権の良いように報じないで。

■怖くなってきた/久喜市の自治会長(77)

 いよいよ怖くなってきた。(近所で事件があれば)ぬれぎぬを着せられてしまう。近所付き合いが希薄な現代に国家権力が介入すれば近所の関係が疑心暗鬼になる。国会で成立しても起動させないようにする必要がある。国民の戦いが始まる。

■恣意的な運用怖い/熊谷市の元教員(71)

  恣意(しい)的な運用が怖い。戦前も治安維持法ができたときに議会の中で恣意的な運用をしないと言っていたが、実際には文化人なども取り締まりの対象になった。東京五輪のテロ対策を名目にしているが、自民党案でははっきりしていない部分があり、怖い。政府のことを批判しても反対しても、取り締まりの対象になってしまうかも。

■冤罪増えるのでは/秩父市の自営業男性(66)

 権力で何でもできるということにはあまり賛成できないし、冤罪(えんざい)が増えるのではないか。ただ、街中でも不安に思うことがあった時、ある程度の権限で確認することはしてもいいと思う。それでも、基準がないとなかなか難しい。

■議論は尽くして/鶴ケ島市の30代会社員男性

 法案の中身を正確に理解していないので、賛否は分からないが、国会で議論が尽くされた上で採決されたのかは疑問。誰もが100パーセント納得いく答えは出ないかもしれないが、議論は尽くしてほしい。

■ほかの方法ないのか/川越市の男性(69)

 捜査機関の解釈で、国民を監視できることになってしまう。テロ行為を防ぐなら、例えば入国審査を厳密にするとか、ほかの方法はないのか。野党も反対するだけではなく、より良くするための案を示してほしい。

最終更新:5/19(金) 23:17

埼玉新聞