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対話から圧力へ?韓国新政権の対北朝鮮戦略 注目ポイントは「安保室長」の人選

5/19(金) 16:51配信

AbemaTIMES

 17日、韓国の文在寅大統領が軍の指揮官らとの会議に出席、北朝鮮をけん制した。共同通信によると、会議で文大統領は「核実験・ミサイル発射などの挑発行為は決して容認しない」と述べたという。

 大統領就任式では「条件が整えば平壌にも行く」「朝鮮半島の平和定着のためであれば、やれること全てを行う」と発言、対北政策で「融和」のイメージをアピールしてきた文大統領だけに、今回の厳しい姿勢に対し、日本では意外感をもって受け止める人も多いようだ。

 元共同通信ソウル支局長の平井久志氏は「左寄りで、北朝鮮に対してもバシッとした対応を取らないんじゃないかと思われていた。そこで“革新系でも国防はちゃんとやるんです“という姿勢を示したのではないか」と話し、その姿勢が「大統領選で文氏に投票しなかった人たちからも、“まあまあよくやっている“という評価を得ている」と解説する。

 実際、韓国国内では、文大統領の就任後の支持率は74.8%に上っており、国民からは「北朝鮮問題が不安だったが気に入った」「安保も大丈夫だ。見守ろう」といった声もあがっている。

 今のところバランス感覚を持って北朝鮮に対峙しているように見える文大統領。ただ、本来の「対話重視」の姿勢次第では、これまで共に圧力をかけ続けてきた日米との足並みが揃わなくなってしまう可能性もある。

 平井氏は「韓国だけが違うことをすれば、歩調を乱したと非難されることにもなる。文大統領としては、南北関係は改善したいけれども、核開発は認められないし、国際協調も大事にしたい。準備期間もなく、閣僚に朴槿恵前大統領が任命した人物が残っている状況下で就任せざるを得なかったので、これから非常に難しいハンドリングを迫られると思う」と話す。

 2010年の韓国・延坪島砲撃など、南北が軍事衝突の危機に陥った例があるように、両国はあくまでも“休戦状態“のままだ。経済格差も大きく、もし統一が実現した場合、韓国は多額の財政負担を強いられ、国民も生活水準を下げることを迫られる。

 平井氏は「アンケートを取れば、90%の人は“統一しなければならない、ただ明日は困ります“と答えるはず。韓国の人々は南北が融和するということと勝手にさせるということは別だということを肌身に染みて知っている。仲良くする、コミットするということは、暴走をさせないようにするという意味だ」と、文氏に期待する韓国の国民感情を説明した。

 一方、北朝鮮としてはそんな文大統領就任を“チャンス“と見ている可能性もあるようだ。

 「文大統領によって、包囲網に穴が空くかもしれないという期待を持っているのではないか。北朝鮮は今後、突破口を韓国に求めていく可能性がある」(平井氏)

 未だ政権人事も未整備の文政権。平井氏は、今回機構改革により設置された外交・安保問題を担当する「安保室長」の人選は未定だと指摘。「どういう人を持ってくるのか、北朝鮮だけでなく、日米にとっても注目すべきポイント」と話した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

最終更新:5/19(金) 16:51
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