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操縦士の技能、フライトデータで「即時」評価

ウォール・ストリート・ジャーナル 5/19(金) 14:22配信

 米国の航空各社は、航空機がリアルタイムで記録するフライトデータから最大限の恩恵を得ようと、斬新な手法を編み出している。これには、着陸時の安全性向上から顧客との関係改善に至るまで、さまざまな狙いがある。

 デルタ航空は機体の離陸および着陸後、操縦技能に対する客観的なフィードバックをパイロットにほぼ即時に提供するシステムを使用している。サウスウエスト航空とアメリカン航空も今夏、同様の取り組みを始める見通しだ。

 このシステムは胴体が長い機体を扱う操縦士を対象にしており、フィードバックは自動で紙に印刷されるもののあれば、計器パネルにデジタル表示されるものもある。胴体が極めて長い航空機を扱う際には特別な注意が必要だ。機首を急速ないし高く上げすぎたり、着陸時の速度が数ノットでもずれていたりすると、機体の後部が地面に接触する恐れが非常に高まるからだ。

 デルタでボーイング737型機やエアバスA320型機の機長を務めるリッチ・ケイナー氏は、「狙いは、ほぼ即時にフィードバックを提供」し、操縦士にパフォーマンスの比較を促すことだと述べた。

 デルタは、こういった追加情報の提供が尻もち事故の比率に影響を及ぼしているかについては言及を控えた。

 この取り組みは、現代の航空機が日常的に記録するデータを即時利用するメリットをあらためて示すものだ。航空機はエンジンの動き、乱気流との遭遇から機内エンターテインメントの不具合に至るまでのさまざまなデータを記録している。

 航空会社幹部は今、特定分野のフライトデータを従来よりも迅速に使いたいと考えるようになっている。尻もち事故への意識を高めたいという気持ちがあるからだ。

 最も包括的なアプローチを採用しているように見えるのはデルタだ。同社はボーイングおよびエアバス製の300機を超える単通路機に対して同システムを導入してきた。

 これらの航空機の操縦士は、離陸および着陸時に記録された機首の正確な角度や機体の速度などが記録されたプリントを受け取ることができる。このプリントは、離陸の数分後と着陸滑走を終えた後に出てくるようになっている。

 ケイナー機長は「これが乗務員の事故を予防する姿勢につながっていると思いたい」と述べた。

 同機長によると、デルタは他のデータの活用も検討している。特にひどい乱気流を経験した乗客を特定し、会社としてのおわびを個別に送るといったことだ。

 アメリカン航空の安全担当者は今夏、ボーイング757および767型機の胴体延長モデルの操縦室のディスプレーに、自動でフライトデータを送信するシステムを稼働させる意向だ。操縦士には、これをプリントアウトする選択肢も提供される。

 サウスウエスト航空の広報担当者によると、向こう数カ月内に同社の全航空機でも同じようなデータ送信システムの運用が始まる予定。サウスウエストが飛ばしているのはボーイング737型機のみで、操縦室にはプリンターがない。

 ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスは、さまざまな胴体延長モデルを飛ばしているが、操縦士たちによると、一部のボーイング767型機は既に実際に離陸した角度を記録したプリントが出てくるようになっているという。

By Andy Pasztor

最終更新:5/19(金) 14:22

ウォール・ストリート・ジャーナル