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[書評]分断された南北は、もう一つの小笠原

5/19(金) 8:56配信

ハンギョレ新聞

ハン・スンドンの読書無限

 近代以後、日本という国家の植民主義・軍事主義・人種主義的性格とその歴史・社会的背景を、西欧の帝国主義侵略史、特にアメリカの太平洋地域ヘゲモニー掌握と絡めてこれほど明澄かつ簡略に叙述した日本人学者の叙述に接することは容易でない。

 「かつての『大東亜共栄圏』地域の中で『植民地なき帝国主義国家』としての特権的地位を日本に付与したアメリカは、日本が勝手にソ連(ロシア)や中国、または、韓国や北朝鮮と和解できないように、また沖縄をはじめとする日本への米軍駐留権をずっと正当化するために、(…)かつて日本に併合された島々に領土紛争の火種を育てておいた」。冷戦秩序の中で「棚ぼたと言える経済的ヘゲモニー」を享受した日本人たちは、21世紀に入っても冷戦的思考回路からは容易に抜け出せない『冷戦ガラパゴス』として、想像の『島』に日本を閉じ込めた。「そして現実に島々の領有権問題に火が点くたびに、東アジア人に対する敵がい心とかつての植民地出身者(の子孫)に対する退行的人種主義を繰り返し表わしている」

 小笠原、硫黄島など日本に服属させられた太平洋の島の被侵略過程とその植民主義・人種主義的性格、それに対する抵抗などを島々の主体的対応の観点で眺め、アジア・太平洋世界の近代史を新たに書き続けた日本の若い社会学者、石原俊の『群島の歴史社会学』(文壷刊、日本の原著は弘文堂)に出てくる一節だ。

 独島(日本名:竹島)もそこに含まれうる。これは韓日間の「独島紛争」が、東アジア・太平洋を自国の排他的利権地域として独占しようとするアメリカの戦略的結果でもあることを意味する。アメリカは、領土紛争の外交的解決を通じて日本が中国やロシアなどと接近し、東アジアの緊張状態が解消され、米軍・アメリカが撤収しなければならない状況を警戒する。

 小笠原群島は東京の南1000キロメートルの小さな島々であり、硫黄群島はそこからまた南に250キロメートル離れている。元来無人島であったが、19世紀に鯨油を確保しようとした西洋の捕鯨船など、外洋帆船の基地になり、その船員、脱走者、移住民が定着し、1876年に日本に服属させられた。第2次大戦後、これらの島はアメリカの信託統治を経て米軍基地になったが、戦争の時に強制退去させられた住民は、小笠原先住民の一部を除いて70年が過ぎても故郷に戻れずにいる。

 敗戦国日本は戦後、戦勝国アメリカの冷戦政策に便乗し「棚ぼた」のように到来した「特権的」経済成長を謳歌し安住して、周辺のアジア国家に対する歪んだ特権・選民意識の中で彼らを他者化して、人種主義・植民主義を煽り立てた。石原氏が指摘するように、ヨーロッパ外部の他者を恣意的に処分・捕獲することを「先占」と「海戦自由」の法理で正当化した国際法(万国公法)は、西欧諸国の侵略と搾取論理の延長だった。

 敗戦後、日本はアメリカの冷戦政策の受恵者になり、過去の歴史には目を瞑った。逆説的にも日本の好時節を保障したこの特権的冷戦体制への安住が、今は閉鎖性と過度な自己愛・自己中心主義に帰結され、日本を出口のない孤立国家にしている。ガラパゴス化だ。

 安倍晋三政権はますますアメリカ側について、中国・北朝鮮などと対立点を立て、既得権の維持に執着している。「慰安婦問題」、韓米日三角同盟、THAAD配備、中日および韓中間の軋轢などすべてがその副産物だ。

 互いに行き来することもできない分断された南北は、日帝の植民支配以来、アメリカと日本の軍事主義・植民主義の犠牲になったもう一つの小笠原であり、沖縄でもありうる。

ハン・スンドン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:5/19(金) 8:56
ハンギョレ新聞