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【爆聴きせよ】『ワイスピ』サントラはなぜこんなにもアガるのか?

5/19(金) 16:18配信

RO69(アールオーロック)

https://www.youtube.com/watch?v=UWLr2va3hu0
Pitbull & J Balvin - Hey Ma ft Camila Cabello (Spanish Version | The Fate of the Furious: The Album)

シリーズ完結編3部作の1作目として、4月から公開されている映画『ワイルド・スピード ICE BREAK』。

その公開に先駆けてリリースされたオリジナル・サウンドトラック盤が、オリコンチャートやiTunesチャートで好成績を収めているというのはニュースでも報じられていたとおりだ(→http://ro69.jp/news/detail/160377)。

人気映画のサントラなので好セールスをマークするのは驚くべきことでもないように思えるが、紆余曲折ありながら最盛期を迎えている映画『ワイスピ』シリーズと同様に、サントラ群もちょっと変わった盛り上がり方をしている。


次第にスケールの大きなクライムアクションとして、また「ファミリー」という概念が明確に打ち出される熱いヒューマンドラマとして、右肩上がりの成功を収めてきた『ワイスピ』だが、車好きが喜ぶカーアクション/レースという基本テーマは最新作『~ICE BREAK』でも健在だ。

まず舞台はあの国、ということはそういう車だよね、案の定派手にぶつけちゃってもう! というオープニングがいきなり笑える。というわけでドライブミュージックとしての機能性は必要不可欠。

シリーズ2作目『ワイルド・スピードX2』に出演(現在は重要なレギュラー)したリュダクリスやタイリースは、同サントラにサザン・ヒップホップ/トラップの色を持ち込んだ。サントラ最新作も、トラップチューンが多く含まれている。


一方、『ワイスピ』シリーズは国境や人種の枠組みを越えたドラマとして展開され、サントラもロックやEDM、ワールドミュージックなどを含めた多様性が売りになっている点も重要だ。

日本が舞台のシリーズ3作目『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』サントラでは、TERIYAKI BOYZが主題歌を書き下ろしたほか、Dragon AshやゴロッパチことThe 5,6,7,8’sらが参加。

『ワイルド・スピード MEGA MAX』では、ブラジルの人気ラッパーであるマルセロD2や、パンキッシュなバイレ・ファンキのパイオニアであるエデュ・K、バイーアの鬼才カルリーニョス・ブラウンらも参加していて最高だった。

https://www.youtube.com/watch?v=RgKAFK5djSk
Wiz Khalifa - See You Again ft. Charlie Puth [Official Video] Furious 7 Soundtrack

ところで、『ワイスピ』で言う「ファミリー」というのは、ギャング的でありながらも血縁や出身には捉われない、絆の概念だ(昔のギャングは血縁を重んじた。ドミニク役のヴィン・ディーゼルがアフリカ系×イタリア系のアメリカ人であるという点も興味深い)。

ときには興味深い異ジャンル間コラボも繰り広げられてきたサントラでは、前作『ワイルド・スピード SKY MISSION』撮影期間中に不慮の事故で他界したブライアン役のポール・ウォーカーを世界中の人々が悼んだとき、余りにも『ワイスピ』なトリビュートとして美しいミクスチャーソング“See You Again”が響き渡っていたことも記憶に新しい。

http://www.youtube.com/watch?v=FG9M0aEpJGE
G-Eazy & Kehlani - Good Life (from The Fate of the Furious: The Album) [MUSIC VIDEO]

最新作『~ICE BREAK』の劇中、もっとも印象深いサントラ曲を挙げるとするならば、白人ラッパーのG・イージーとR&Bシンガーのケラーニ(両者とも今夏のサマーソニック2017に出演を予定しているが、出演日は異なっている)によるラップソング“Good Life”だろう。

深い絆を語り、己を奮い立たせてファイティングポーズを崩さない、そこには幾らかの哀愁も滲んでいる。破天荒なアクションも、悲しい現実も背負って進む『ワイスピ』。サントラを聴きながら音楽の多様性に思いを馳せるのも、一興かもしれない。(小池宏和)

RO69(アールオーロック)