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レキシの「音楽で遊べる場所」としての魅力を『関ジャム』が完全解明してしまった

5/19(金) 21:50配信

RO69(アールオーロック)

ベースを1時間まるごと特集したり、ピコ太郎の“PPAP”を音楽的に解説したり、といったエンターテインメントかつマニアックな内容で番組のMCを務める関ジャニ∞のファンはもちろん、音楽好き、テレビ好きからも人気の番組『関ジャム』の今週のテーマは「レキシの正体に迫る!」だった。

レキシとは2007年デビューの池田貴史のソロプロジェクト。ファンクバンド、SUPER BUTTER DOGのキーボーディストであり、Negiccoや私立恵比寿中学への楽曲提供、俳優としての活躍も著しい。「一見おふざけに見える」レキシが「凄いアーティストだと分かる」(ナレーションより)というのがテーマのレキシを徹底的にひもとく放送だった。

まずは、レキシとコラボ経験のある斉藤和義によるレキシ談「名曲の無駄遣い」について曲を聴きながら検証。2ndアルバム『レキツ』より“きらきら武士 feat. Deyonna(椎名林檎)”、5thアルバム『Vキシ』より“最後の将軍feat.森の石松さん(松たか子)”のMVをそれぞれ1分近く流し丁寧に説明する。

レキシとともにゲストとして呼ばれたのはレキシネーム「足軽先生」として1stアルバムから参加している、いとうせいこうと、レキシが所属していたSUPER BUTTER DOGとデビュー年が同じでさらに同い年の西寺郷太(NONA REEVES)。いとうは「名曲の無駄遣い」について「遠くから聞こえてたら超イイ曲」、しかし「近づいて聞くと歌詞が変」とそのレキシ楽曲独特の魅力を説明。西寺は「レキシは歌詞だけでなく音楽的にも『歴史』である」といい、「ジャズ・ラップ・ロック・ファンク」が入った「全ての時代のベスト盤」と、歌詞でなく音楽的なアプローチからもその素晴らしさを説明する。

続いて、レキシとコラボ経験のある秦基博・上原ひろみ・松たか子がレキシのマイベストソングを紹介。レキシを「スゴいメロディーメーカー」と称する秦が選んだのは“憲法セブンティーン feat. シャカッチ”。レキシ本人も「マニアック」と唸る選曲に秦が本当に好きでレキシの音楽を聴いていることが伝わる。上原は最新シングルより“KATOKU”を選曲。「完璧な歌い出し」と拍手までしてしまうその歌詞は「世襲制」。いとうはこの歌詞について「他のポップスでは絶対に聞けない日本語が聞こえる」、だから「新鮮に感じるから楽しい」と話す。確かに、我々がレキシの音楽を聴いていて楽しく思わず笑顔になるのは「縄文土器」(“狩りから稲作へ feat. 足軽先生・東インド貿易会社マン”)や「式部」(“SHIKIBU feat.阿波の踊り子”)など、かっこよかったりポップだったりする音楽に「こんな言葉が乗っている」という意外性が面白くて聴いているかもしれない。

松たか子は「音楽、楽しいね!」をみんなで共有できたという“大奥~ラビリンス~ feat. シャカッチ”を選曲。何万人の人たちが歌詞に出てくる「大奥」と言いながら手を振るある意味「カオス」な空間を作り出せるのもメロディーと歌詞がぴったりとハマっているレキシのライブならではの空間だろう。

関ジャニ∞メンバーの大倉にここまでピックアップされてきた歌詞について「メッセージ性はあるんですか?」と聞かれ「歴史のことを歌っているようで、今の思い」も込められていて「ダブルミーニング、トリプルミーニング」になっていると語る。一見、響きや面白さで書かれていそうな歌詞にも意味を解くと現代へのメッセージになっている奥深さがまた魅力だ。

その後も番組はレキシが歴史を好きになったルーツや音楽の意外なルーツ、曲にする歴史のネタに困り社会の資料集をめくっている話まで飛び出す。いとうもファンク音楽としてアース・ウインド & ファイアー、コメディ音楽としてハナ肇とクレイジーキャッツらを例に出し、レキシの音楽は今までの流れを汲んだ正統派だと分かりやすく解説。この番組では、毎回関ジャニ∞が演奏する「ジャムセッション」のコーナーがあるのだが、今週はレキシが2015年に関ジャニ∞に提供した“侍唄(さむらいソング)”が披露された。

レキシはこれまで椎名林檎やサンボマスター、チャットモンチーなど、さまざまなアーティストとコラボレートして楽曲を発表している。レキシがなぜ、ここまで大物に愛されているかについていとうは「大物であればあるほど遊びってしにくい」と語り、「『レキシ』という名を借りて遊べることが嬉しいんだと思う」「ここ(レキシ)ではみんなが遊んでいい」=「大物が“音楽で遊べる場所”」であるから皆コラボをしたがると評する。年下のアーティストからも「池ちゃん」と呼ばれ親しまれている姿を見るとレキシは「音楽って楽しい」という忘れがちだけど当たり前な原体験を呼び戻してくれる場所でもあるように思える。

今回の『関ジャム』でレキシを詳しく知った、という人もゲストのサバンナ高橋のように「TSUTAYA」に連れて行ってしまう。そんな番組が『関ジャム』だ。楽曲やそれに付随する専門的な用語も丁寧に解説して一緒に学んでくれる。

もともとSUPER BUTTER DOGのライブのアンコールでやっていたレキシがここまで多くのアーティスト、そしてファンに愛される所以が『関ジャム』という画期的な音楽番組のフィルターを通してお茶の間まで見事に伝わった放送だった。(キクチタイスケ)

RO69(アールオーロック)