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【ライターコラムfrom仙台】チャレンジし、切磋琢磨 4人で争う守護神の座

5/19(金) 17:39配信

SOCCER KING

 5月15日、ベガルタ仙台は作新学院大学と練習試合を実施。この試合で、GKイ・ユノが仙台加入後初めて実戦の場に立った。「ミスを恐れず、積極的にビルドアップにも関われて良かった」と試合を振り返るイ・ユノは、国際移籍が可能になった18歳の誕生日(3月23日)に、韓国の中東高校から仙台の一員となった。

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 仙台には現在、イ・ユノのほかにシュミット・ダニエル、関憲太郎、石川慧という3人のGKがいる。この新人GKは練習参加したときからそれぞれの先輩について「関さんは身長が高いわけではないのですが、ステップやキャッチングの技術が高いと思っています。シュミットさんは自分よりも大きな体格で、スケールが大きいキーパーだと思っています。慧さんは自分よりも経験があり、キャッチングなどの基本がしっかりしています。3人のいいところを盗みながら競争に入っていきたい」と話していた。仙台では彼ら4人が切磋琢磨しながら、出場を目指して競争を続けている。

 4月22日から5月14日まで、仙台は短い間隔でリーグ戦とカップ戦を合計7試合もこなす日程を経験した。その中で3人のGKが試合に関与。リーグ戦では4月途中から先発の座をつかんだシュミットがゴールを守り、時には好セーブやフィードをして、時には失点につながるミスをした。「反省することの方が多かった。でも、失敗を引きずりすぎず、次に向かいたい。試合の中で厳しい状況になったときこそ、自分が積極的に味方をしっかり動かす声をかけられるようにならなければいけません」という得がたい経験をした。

 ルヴァンカップでは関が活躍。「特に、最終ラインの裏のケアについて、積極的にカバーしてピンチになる前に防げたことも多く、自信につながるプレーができました。その反面、守備の人数を揃えただけで満足しないように、その後もボールへのチャレンジなどもっとできることはあります」と振り返るとともに、リーグ戦でも「ダン(シュミット)のプレーをベンチから見ていても、裏のケアをしっかりしていて、そこはDF陣も合わせて、基本的なところは良くなってきている印象があります」とチームとしての手応えを得ている。

 昨季から仙台でGK陣を指導する石野智顕GKコーチは、「ミスを恐れるあまり、こぢんまりしたプレーヤーになってしまわないこと」に留意する。「トライした上でのミスから、次につながるものを見つけてほしい。セーブの技術一つにしてもそう、その前の構え一つにしてもそう。あるいはそれ以前、それができるようにちゃんと集中していられるか、というメンタル面もそうです」。練習のうちにミスをして本番では繰り返さないことが理想だが、本番でミスをしたのであっても、過去は変えられない。その分、次の本番で同じ状況になったときに繰り返さないように、トライを続けることを石野コーチは求める。

 昨季にリーグ戦2試合とカップ戦1試合で出番をつかんだ石川は、今季はカップ戦でベンチ入りし、今季の出場を目指す。「監督やコーチからもよく話があるのですが、『ポジティブなトライが大事』ということを僕自身も念頭に置いています。ビルドアップの精度を高めること、味方がビルドアップの途中でカウンターを受けて求められるようになること、すべてにトライしたい」と、前を向いている。石野コーチは石川の場合は、セービング技術で光るものがありながら攻撃で向上の余地があることを見て取り、フィールドプレーヤーのボール回しに参加させるなどして、「パスの感覚を磨いたり、視野を広げたりしてほしい」と配慮している。

 石野コーチは4人のGKの誰を試合のピッチに送り出すにしても、「特別に何かを強調して言うわけではないんですよね。それぞれのストロング(ポイント)を出してくれればいいし、彼らの能力を信じて送り出しています」と背中を押す。

 仙台の公式戦のゴール前までの道には、4人のプレーヤーが石野GKコーチとともにチャレンジし、切磋琢磨する日常の積み重ねがある。

文=板垣晴朗

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最終更新:5/19(金) 17:39
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