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【特集】故人を偲ぶ“遺人形” 亡き家族を形に

毎日放送 5/19(金) 15:31配信

亡くなった家族を偲ぶため遺影を飾るのは一般的ですが、最近、遺影ならぬ「遺人形」を飾る人が増えているといいます。
1枚の写真から3Dプリンターを使って人形がかなり精密に作られているのですが、どういう思いで人形づくりを依頼するのか、そして遺人形が残された家族の生活にどのような変化をもたらすのか取材しました。

「遺人形」を作ることを決めた家族

和歌山県新宮市。ここに、「遺人形」を作ろうと決めた家族がいます。潮崎さん一家。夫婦と長男の3人暮らしです。

「すぐに(姿が)浮かびますね、声とか。高かったもんね、声が」(兄 弘資さん)

次男の文誉さん(当時20)。メキシコで観光ガイドをしていた2007年、乗っていたボートがハリケーンによって転覆し、行方不明になりました。母の成美さんが見せてくれたのは、文誉さんがメキシコに飛び立つ前夜の写真です。

「私たちが見送っているのにそのまま行こうとしたので、『最後にこっちに振り向いて』って思いっきり叫んで、(文誉が)『じゃあ』って笑いながら行ったのを覚えています」(母 成美さん)

文誉さんの行方はわからないままですが、4年前、潮崎さんは親族に促され文誉さんの葬儀を営みました。しかし、複雑な気持ちだったといいます。

「遺骨自体がないので、向こうで取ってきた貝とか砂を置いているだけなんです」(父 雄治さん)
Q.葬儀は区切りになった?
「変わらないですね。もうちょっとなるかと思ったがならない」(成美さん)
「亡骸自体がないから、いつか現れるんじゃないかって」(雄治さん)

きっかけは兄

今回、文誉さんの遺人形を作ろうと提案したのは2才違いの兄の弘資さんです。

「父親は感情を出さない。どういうふうに思っているとか。母親は感情が豊かで『文誉が夢に出てきたよ、会えたよ』って。帰って来ないとわかっていても、どっかで待っている気持ち」(兄 弘資さん)

人形のモデルとなる写真は3人で決めました。文誉さんの明るくてやさしい性格がにじみ出たメキシコでの写真です。

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最終更新:5/25(木) 15:43

毎日放送