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アベノミクスは長期安定政権で成果、混乱のトランプノミクス横目に

Bloomberg 5/19(金) 6:00配信

5年目に入った安倍晋三首相の下で、1-3月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は11年ぶりとなる5期連続プラス成長となった。政治的混乱が経済に影を落としている米国のトランプ政権とは対称的に、識者からは政権の安定が経済を下支えしている、との声が出ている。

クレディ・スイス証券の塩野剛志エコノミストは「トランプ政権で起きていることは、安倍首相が維持している安定政権の重要性を改めて感じさせる」と述べた。政権の安定は「為替が円安となり、株価が上昇する一つの要因となった」と分析する。

安倍首相は2012年12月に政権に復帰。金融緩和を起爆剤とした円安・株高による経済成長を目指すアベノミクスを提唱し、景気拡大を押し進めてきた。NHK支持率調査によると、一時期を除き、支持が不支持を上回る状態が続いている。5年5カ月にわたった小泉政権後、第1次安倍政権も含む6内閣は最長でも約1年4カ月で退陣。その間、日本経済は一進一退を続けていた。

日本総研副理事長で内閣府経済分析担当審議官も務めた湯元健治氏は、第2次安倍政権発足前の不安定な政治状況について「景気にとって大きな足かせとなってきた」との見方を示す。「経済対策をタイムリーに通すこともできず、ねじれ国会では何をすべきかについて同意に至ることが難しかった」と述べた。

18日に発表された1-3月期のGDPは前期比0.5%増。年率換算では2.2%増となり、市場予想を上回った。輸出が堅調な中で消費が持ち直した。

トランプ米大統領の経済政策「トランプノミクス」で期待されてきた米景気浮揚の見通しは、ロシア関連疑惑を巡って不確かなものとなりつつある。政治的困難によって、エコノミストが国内総生産(GDP)押し上げの頼みの綱としてきた減税やインフラ支出拡大を大統領が実現できるか疑問が生じているためだ。米ワシントンの調査会社、テネオ・インテリジェンスの日本担当アナリスト、トビアス・ハリス氏は、一国を治める政治家がどの程度、経済成長に貢献しているかを知るのは難しいと指摘。日本の経済成長は世界経済の改善の影響もあるとしながらも、安倍首相は自身の経済政策が成長に導いたと成果をアピールするだろうとの見方を示した。

Henry Hoenig, Connor Cislo, Toru Fujioka

最終更新:5/19(金) 6:00

Bloomberg