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<ウマ女十番勝負>(番外編)菊花賞馬なでなで 馬好きのためのマラソンを走ってみた

毎日新聞 5/20(土) 8:00配信

 競馬好きにはたまらないマラソン大会がある。北海道で毎年5月に開かれる「ノーザンホースパークマラソン」は、オルフェーヴルも過ごしたトレーニング施設や、放牧地沿いを走る。デジタル編集部のウマ女記者が今年「初出走」。心地よい馬ふんの匂いをかぎながら、7キロのトレイルランと、ハーフマラソンの計28キロを走破した大会の模様をリポートする。【中嶋真希】

【坂路、練習用ゲート…競馬ファンが喜ぶマラソン大会】

 新千歳空港から車で10分。ノーザンホースパーク(苫小牧市美沢)は、元競走馬やポニーなどとふれあえる観光牧場だ。2004年に菊花賞を勝ったデルタブルースや、05年の日本ダービーでディープインパクトと競り合い2着に入ったインティライミ、ディープインパクトの母親ウインドインハーヘアなどに会える。ここで11年からマラソン大会が開催されている。今年は、2.5キロのペアランも含めて計3000人以上が参加した。

 コースは、パーク内だけでなく競争馬を育成する牧場の中も走ることができる。特に、7キロのトレイルランは、「ノーザンファーム空港」にある全長900メートルの坂路調教コースを走ることができるのが名物。競走馬は、生産牧場で生まれると、2歳で厩舎(きゅうしゃ)に入るまでは育成牧場で調教を受ける。ノーザンファーム空港では、現役ではマカヒキやサトノダイヤモンド、ミッキークイーン、引退した馬ではオルフェーヴル、ジェンティルドンナらが競走馬を目指して練習を積んだ。有名馬と同じ場所を走れるとは、競馬好きのランナーには夢のようなレースだ。

 午前9時半、ファンファーレとともにスタートした7キロのトレイルランは、急な上りはなく、クロスカントリーに近い。空気がおいしく、馬好きにとっては馬ふんの匂いさえもいとおしい。2キロほど走ると、坂路コースが見えてきた。ランナーを誘導するのは、なんとデルタブルース。先頭で一緒に走るには、ゲストランナーの猫ひろしさんと同じペースが求められる。そんなことができるはずもなく、後方で脚をためることにした。ウッドチップが敷き詰められたコースは、ふかふかで、落ち葉がたまって柔らかくなった冬の山道を走るのに似ていた。

 ◇ゴルシ気分でゲートイン

 坂路を抜けると、コースに練習用のゲートが置かれていた。ゲートの中に入り、思わず15年宝塚記念でのゴールドシップのまねをしてしまう。ゴールドシップがゲートの中で立ち上がり、大きく出遅れてしまったレースだ。そんなエピソードもやんちゃな彼らしい。元気にしてるかなと、しばし“ゴルシ”の思い出に浸る。

 もう少しでゴールというところで、デルタブルースの姿が見えた。後方組のために、待っていてくれたのだ。額をなでて、一緒に写真を撮ってもらった。

 ◇馬の群れを見ながら……ぜいたくハーフ

 続いて午前11時にハーフマラソンがスタート。馬や牛の群れがあちこちにいて、馬同士がじゃれ合ったり、寝転がったりしている姿をながめながら走る。なんてぜいたくなんだろう。トレイルランで一度たたいているから、このレースが走りごろ。「上がり3ハロン(最後の600メートル)って、ハーフマラソンでいうと最後の何キロだろうか」と考えながら、ばてないようにゆっくり進む。

 このマラソンで、もう一つの名物が風。足が止まるほどの強烈な向かい風が何度も吹き、体力が奪われていく。疲れが出てきた14キロ地点で、トウモロコシの給食が登場。甘くて、おいしい。「たくさん食べていって」と笑顔のボランティアスタッフ。トウモロコシ2切れと、バナナを1切れ食べて、エネルギーチャージ完了。また元気に走り出した。

 18キロ地点では、手作りのミルクパンと牛乳が振る舞われた。パンをかじりながら進むと、応援の馬が現れた。駆け寄っていくと、頭をこすりつけられた。スタッフの女性に「ずいぶん仲良しになっちゃいましたね」と言われ、思わずにやける。馬の名前は、バーズ。映画「北の零年」で吉永小百合さんが乗っていた馬で、パークの人気者だ。「馬も応援していますよ、残りあとちょっと」と励まされ、ゴールを目指す。

 ◇レース後はヴィクトリアマイル観戦

 いつものタイムより30分遅くフィニッシュ。楽しくて前に進めないハーフマラソンは初めてだ。抽選会やチャリティーオークションを楽しんだ後は、G1レースのヴィクトリアマイルを大型モニターで観戦。荒れることで有名なこのレースは、1着アドマイヤリード(6番人気)、2着デンコウアンジュ(11番人気)、3着ジュールポレール(7番人気)とやはり波乱が起きた。3連単は91万8700円、3連複12万3870円と高配当が飛び出した。買っていた3連複は的中できなかったが、馬とふれ合えて大満足でパークを後にした。

最終更新:5/20(土) 8:05

毎日新聞

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