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<東芝半導体>「日米連合」買収額示さず 売却選定難航

毎日新聞 5/20(土) 7:10配信

 経営再建中の東芝は19日、半導体メモリー事業の売却先を選ぶ2次入札を締め切った。米ファンドのベインキャピタルが応札する一方、官民ファンドの産業革新機構などによる「日米連合」は入札参加の意向を示したものの、金額などの条件は後日提示することにした。東芝は2次入札で売却先をある程度、絞り込みたい考えだったが、東芝と協業する米ウエスタン・デジタル(WD)が売却に反対するなど先行きは不透明で、選定作業は難航している。

 ◇ベインキャピタルは応札

 革新機構と政府系金融機関の日本政策投資銀行は、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と組み、日本企業に出資を募って2兆円規模で入札する案を描いてきた。だが、慎重な日本企業が多く、出資の配分や役割分担など具体的な体制づくりが2次入札までに間に合わなかった。今後、調整を急ぐ方針だ。

 一方、ベインキャピタルは韓国半導体大手のSKハイニックスと連携するとみられ、革新機構にも連携を呼びかけているという。このほか、1次入札に参加した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業や、米半導体大手のブロードコムなども参加した模様だ。各企業は単独では資金が十分に用意できなかったり、半導体のシェア(市場占有率)が高くなって独占禁止法にかかる可能性があったりするため、他企業と連携することになりそうだ。

 応札企業が注視するのが、東芝と三重県四日市市の工場を共同運営し、他社への売却に反対しているWDの動きだ。今月15日には、WDが売却の差し止めを国際仲裁裁判所に申し立てる強硬措置に出た。WDの主張が認められれば、売却自体が白紙に戻りかねない。

 政府や金融機関、応札企業には対立への懸念が広がっている。来週にはWDのマーク・ロング最高財務責任者(CFO)が来日し、東芝の役員と協議する予定で、打開策を探るとみられる。

 東芝は米原子力事業で生じた巨額損失を穴埋めするため、半導体メモリー事業の売却で2兆円程度を調達する方針。6月末までに売却先を選ぶ予定だが、短期間でWDとの対立を解消し、売却先選定を終えるのは容易ではない。【古屋敷尚子、小川祐希】

最終更新:5/20(土) 7:10

毎日新聞