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西川流「名古屋をどり」が70回記念公演 中日劇場で概要発表 /愛知

みんなの経済新聞ネットワーク 5/20(土) 17:00配信

 栄の中日劇場(名古屋市中区栄4)で5月18日、日本舞踊の西川流が「名古屋をどり」の記者発表を行った。公演は9月7日~11日。(サカエ経済新聞)

 西川流が終戦直後の1945(昭和20)年から開催している同公演。名古屋の伝統芸能における秋の風物詩として親しまれ、今年で70回目を迎える。

 中日劇場が来年3月で閉館するため、同劇場で最後の名古屋をどり公演。この日の会見は同館ロビーで行われ、四世家元・西川千雅さん、先代家元で総師の西川右近さんらが、今年の見どころを紹介した。

 舞台は3部制で、170年の西川流の伝統を感じさせる作品から観劇初心者向けの演目まで多彩なラインアップ。第1部は伝統的な日本舞踊を味わう演目。長唄「茂登木(もとき)」、長唄「秋のしらべ」などを上演する。第2部は華やかな賑わいを感じる演目。清元「吉野山」、長唄「娘道成寺」のほか、名古屋と岐阜の芸妓(げいぎ)が競演する「懐芸妓舞姿(なつかしげいぎのまいすがた)」を披露する。第3部は初心者にも分かりやすい和に親しむ演目。長唄「紀州道成寺」、清元「狐ばなし」のほか、初めての試みとなる一般出演枠の参加者と共に踊る「尾張暦名古屋踊(おわりごよみなごやのをどり)」を上演する。

 千雅さんが四世家元を襲名してから3回目となる同公演。「今回は立ち方、地方、合わせて総勢100人。地域としては愛知、岐阜、大阪、台湾から出演する。名古屋をどりは多くの創作舞踊を作ってきたが、今回はその中から3作品を取り上げている。奥方に嫌気がさした大名の理想の女性探しをコミカルに描く『茂登木』、長唄の古典を二世家元・西川鯉三郎が重厚で物語性のある作品に再構成した『紀州道成寺』を、僕と父・右近で踊る。『狐ばなし』は宝塚で多くの名作を提供してきた柴田侑宏さんが西川流のために書いた作品で、今回は西川カークがアクション俳優の手嶋政夫さんと競演する」と話す。

 過去69回全ての公演に出演してきた右近さん。「終戦後に開催した第1回に子役で出演してから、毎年の秋は名古屋をどりに出続けてきた。中日劇場には大変お世話になってきたので、建物が無くなってしまうことは非常に寂しい気持ちになる」と振り返る。

 江戸時代風セットをロビーに設置して出演者やスタッフが着物で出迎える演出や、歌舞伎ソムリエによるイヤホンガイドなどは今年も行う。初めてとなる一般参加枠は、遊女見習いの新造(しんぞう)姿に着飾って踊りに参加する「御祝儀新造(ごしゅうぎしんぞう)」と、黒紋付き姿で長唄に加わる「祝賀寿節(いわいのかずぶし)」を募集する。

 千雅さんは「名古屋をどり観光化3年計画をうたい、ロビー演出のおもてなしやイヤホンガイドなど、分かりやすい公演を目指してきた。この3年目を集大成にすべく、今回はさらに新しい挑戦をする。一般参加枠は、男女の別なく、踊りや唄の経験が無い方でも出演可能。プロが稽古を付け、本番も共に舞台に立ってくれるので、見るだけではなく伝統文化を体験して楽しんでいただきたい。誰でも楽しめるというモットーは、名古屋をどりの根幹をなすコンセプト。西川流も約170年前の始めた時代から常に、一部の人ではなく、多くの大衆を見つめて日本舞踊を続けてきた。名古屋の文化を自分たちで発見して、楽しんで、守っていく。そういう気持ちになってもらえる舞台にしたい」と意気込む。

 会見後、千雅さんらは劇場の客席で写真を撮影。右近さんは「中日劇場にも、その前にやっていた御園座にも、たくさんの思い出がある。作品は劇場に合わせて選ばれ、生まれるもの。名古屋をどりは、御園座らしい作品、中日劇場で披露した新作と、本当にさまざまな内容になった。第1回をやった名宝劇場はオーケストラピットがある舞台だったことを思い出す。明治・大正時代にできた小屋は一番大きくても500くらいの客席で、照明も少なかったが、マイクが無くても声が後ろまで届いたはず。かつての環境で生まれた文化を、そのままの形で大きな劇場でやれば通用するとは限らない。新しい時代の劇場の姿に合わせて変わっていくと思う。中日劇場の建物が変わるのに、伝統文化の方は変わらなくていいのかと疑問に思う。新しくできる御園座も名前は同じでも、昔とは違う劇場として生まれてくるはず。名古屋をどりも今まで同様、今後も勇気を持って変わっていきたい」と話す。

 開演時間は第1部=11時、第2部=14時30分、第3部=18時。料金はS席=7,000円、A席=4,000円。一般出演枠は「御祝儀新造」=40万円(S席チケット40枚付き、稽古、化粧、本衣裳・かつら貸与、記念写真)。「祝賀寿節」=10万円(S席チケット10枚付き、稽古、黒紋付き貸与・自前も可)。問い合わせは西川流家元事務所(TEL052-831-7106)。

みんなの経済新聞ネットワーク

最終更新:5/20(土) 17:00

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