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<少子化>伝統校にも共学化の流れ OBには戸惑い 

毎日新聞 5/20(土) 9:19配信

 旧制中学が前身で男子高の足利高(栃木県足利市本城1、橋本正治校長)と創立108年の伝統を誇る足利女子高(同市有楽町、渡辺佐知夫校長)の県立2校に統合、共学化案が浮上している。県教委は2018年度から進める第2期高校再編計画の選択肢として検討しており、18日には両校の同窓会に現状を報告した。高校の規模縮小による教育環境悪化への懸念などが背景にあるが、伝統や男女別学の校風を評価する卒業生らの間には戸惑いが広がっている。【太田穣】

 県教委によると、県内の中学校卒業者数は1989年度の3万3066人をピークに減少傾向で、05年度には1万9656人と6割以下になった。このため、県教委は学校規模の適正化などを目的に第1期高校再編計画を策定。05年度から10年間、統廃合や共学化、中高一貫校開設などを進めた。再編で県内の全日制高校は68校から9校減の59校になり、男女別学の高校は18校から11校に減った。

 18年度以降も中学卒業者数の減少傾向は続き、県教委は、全県立高の1学年の学級数は14年度の314学級から23年度には289学級に減ると見込む。特に両校のある安足地区は、中卒者数、1学年の学級数とも減少率が県内7地域で最も大きく、現在の学校数を維持すると教員配置にも影響が出るという。こうした事情もあり両校の統合案が浮上。県教委は今月15日に市内経済団体、18日には両校の同窓会幹部に現状や今後の見通しなどを説明した。

 足利高同窓会の菊地義治会長(80)は「専門性の高い科目の教員確保などのため、統合も一つの方法との考え方を聞いた。会員にはさまざまな思いがある。少し詳しい説明を待ち、考え方を表明したい」と話した。

 第2期再編の計画期間は18~22年度の5年間。県教委は6月の計画案公表に向け、策定作業を進めている。公表後、県内7地区での説明会やパブリックコメントによる意見聴取を経て、今秋の成案化を目指す。県教委総務課の再編担当者は「現時点では統合はあくまでも選択肢。さらに熟度を高め、公表までには再度関係者の意見を聞きたい」と話した。

 第2期再編に向け、有識者による「県立高校再編に関する検討会議」が昨年3月にまとめた提言では、両校のような進学校について「切磋琢磨(せっさたくま)の中で学力向上を図る観点からある程度大きな規模が望ましい」とし、統合については基準の明確化を求めた。共学化については「男女が共に学ぶ姿が自然」として推進の立場だが、「共学校、別学校の共存」が多数派の県民世論への配慮も求めている。「足高(あしたか)」、「足女(あしじょ)」の通称で親しまれ、地元経済界をはじめ各界にOB、OGを輩出している伝統校の今後が注目される。

最終更新:5/20(土) 9:19

毎日新聞