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潜在469人、解消に課題 京都市、待機児童「ゼロ」

京都新聞 5/20(土) 14:00配信

 認可保育所などに入所を希望しても入れない「待機児童」の4月1日時点の人数について、京都市は19日、国基準で4年連続ゼロになったと発表した。市が民間保育所での受け入れ枠拡大に重点を置いた成果だが、希望する施設に入れず利用をあきらめる「潜在的な待機児童」が依然469人おり、保護者が保育所探しに悩む課題は残る。
 市内で4月から保育所を利用しているのは、3万1101人。前年から657人増えたが、保育所新設や人員確保に必要な財政支援を拡充し、園児の受け入れ枠を前年より972人分広げて対応した。
 待機児童の集計は「実態を反映していない」との批判がある。このため国は定義を見直し、保護者が復職を希望しても保育所が見つからず、育児休業を延長した場合など、これまで待機児童にカウントしていなかったケースも対象に加えた。自治体には順次適用を求めており、市は今回、この新定義で算出してゼロだった。門川大作市長は19日の市議会代表質問の答弁で、「保育所を利用する子どもの割合は、人口100万人以上の都市で最高だ」と強調した。
 市は17年度予算で民間保育所の受け入れ枠拡大に36億円、保育士確保のために給与を増額するための費用に46億円を盛り込み、財政難の中でいずれも前年から増額した。2018年度に保育需要のピークを迎えるとみるが、受け入れ枠はさらに約1100人増やす方針。「量的な点ではめどが立ちつつある」(幼保総合支援室)とする。
 一方、潜在的な待機児童は前年度から44人減ったものの、解消に至っていない。その大半が、立地や保育内容などを理由に特定の保育所を希望する人とみられる。枠の拡大とニーズがかみ合うかが問題となる。
 市の手続きでは、新たに入所を希望する保護者は最大8カ所の施設を書類に書く。17年4月1日入所では、新規に約7千人が申し込んだうち、856人が3月初旬までの1次段階で決まらず、2次、3次の調整を経ても500人近くが潜在的な待機児童になった。市の担当者は「人気の園に絞って希望を書く人もいる」と打ち明ける。
 ただ、特定の園を希望する保護者には、きょうだいで同じ保育所に通わせ、仕事の行き帰りに送迎したいとの思いを抱える。
 西京区の母親(31)は昨年生まれた長女が、長男と同じ自宅近くの保育所に通えず、4月以降も育児休業を延長した。「別々の保育所に行かせるのは、子どもや仕事の都合を考えるとしんどい。人手不足の仕事先からは早期復帰を求められるが、長男が通う保育所の空きを待つしかなく、場合によっては仕事を辞めざるを得ない」と訴える。

最終更新:5/20(土) 14:00

京都新聞