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ミスターが教科書に載る! いまの子にも長嶋さんの「生き方」伝わるといいなぁ

夕刊フジ 5/20(土) 16:56配信

 【SPORTS BAR】

 “国民的スター”である長嶋茂雄さん(巨人終身名誉監督)が、来年4月から新設される小学校の「道徳」の教科書に載るという。誰もが知る長嶋さんだが、考えてみれば、現役を知る世代は60歳以上…。改めて次世代につなげるには、いい機会かもしれない。

 内容は「人生は七転び八起き」。スーパースターの人生は、挫折が原点だったというものだ。

 いまさらだが…。プロデビューは金田正一さん(当時国鉄)に4打席4三振。その後スーパースターへの道を歩んだ。監督就任後も球団史上初の最下位から翌年優勝。さらに、死のふちを彷徨った脳梗塞からカムバック…。国民栄誉賞も手にした。まさに子供たちに勇気と希望を与える生き方がそこにある。

 ミスターを取材して40年以上になる。

 「努力は人の見ていないところでするものだ。努力を積み重ねると、人に見えるほどの成果が出る」

 教科書にも記載されているという長嶋さんの言葉だが、何度もこのようなフレーズを聞いたことがある。

 「アヒルは涼しい顔して軽くス~イ、ス~イと水面を泳いでいるけど、水面下では激しく足を動かしているんですね」

 “アヒルの水かき論”をよく口にした。また米国ニューヨークのブロードウェーでミュージカルを一緒に見たとき、主役の女性が舞台上で1人、10分以上踊り続けた。ミスターが思わず叫んだ。

 「見ましたか? 踊り終えたとき、ひとつの呼吸の乱れもなかった。しかも笑顔です。これぞプロフェッショナルですねぇ。この美しい動きの陰には、とんでもない練習量があったでしょう」

 とかく世間は、どのジャンルでも素晴らしい逸材が現れると“希代の天才出現”などと表現しがちだが、ミスターの視点は違う。資質を評価しつつも資質を伸ばす努力、鍛錬をそこに見いだす。自らがそうであったからである。

 そういえば…。長嶋さんが都内に自宅を建てたとき、二宮尊徳(金治郎)の像を置いた。勤勉、勤労の象徴として戦前の修身(道徳)の国定教科書に取り上げられた人物。長嶋さんは毎朝、像に礼を尽くしていた。その生き方を尊んで人生を生きたからである。

 いま、歩いて書を読む二宮像は、歩きスマホを連想する…と敬遠されていると聞いたが、ミスターが教科書になれば、新たな“二宮イズム”が継承されるかも…。 (産経新聞特別記者・清水満)

最終更新:5/20(土) 18:35

夕刊フジ