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<大阪工業大>超小型人工衛星、「宇宙のドローン」で再挑戦

毎日新聞 5/20(土) 12:49配信

 ◇電力を10倍に、高度の変更能力を最大100キロまで強化

 大阪工業大(大阪市旭区)の学生が開発する超小型人工衛星が再び、宇宙へ飛び立つ。2012年に1号機を打ち上げたが、通信機器トラブルで制御不能に。今回はその反省を踏まえて、高度を自在に変えられるようにエンジンを強化し、空間を飛び回る「宇宙のドローン」を目指す。先月、大型衛星を搭載する宇宙航空研究開発機構(JAXA)のH2Aロケットへの相乗りが決定し、打ち上げは来年度に予定されている。

 学生らが開発するのは「PROITERES(プロイテレス)衛星2号機」。一辺約50センチの立方体で、重さ約50キロ。宇宙空間で太陽電池を翼のように広げて発電し、電気で気化させたフッ素樹脂をエンジン部分の筒から放出し高度を変える。来春の完成を目標に、約30人で製作している。

 開発は07年から始まり、12年には同種エンジンの1号機がインドのロケットに搭載されて打ち上げられたが、通信機器トラブルで制御できなくなった。この反省から、2号機は通信機器を変更し、太陽電池の高性能化などで電力を10倍に高めた。樹脂を放出する筒も2本から7本にし、1キロ程度だった高度の変更能力を最大100キロまで強化した。

 JAXAは、温室効果ガス観測用衛星を載せて飛ぶH2Aロケットの空きスペースに入る相乗りの超小型衛星を公募。搭載される5機の1機として大工大の衛星も選ばれた。来年度、鹿児島県の種子島宇宙センターから発射され、600キロ上空に放出される予定だ。

 開発を指導する田原弘一教授(宇宙推進工学)によると、高度を大幅に変える超小型衛星(50キロ以下)のエンジンは国内では開発されていないという。技術を発展させて衛星の高度変更能力を200キロ程度まで向上できれば、衛星を早期に大気圏に突入させ燃焼させることも可能だ。実現すれば、衛星が「宇宙ごみ」となり、宇宙ステーションに衝突して害を及ぼす事態を防げる。

 大学院博士課程2年の藤田亮太さん(26)は「本番でうまく作動させたい」。田原教授は「空間を自由に移動できるドローンのようにしたい」と話す。【畠山哲郎】

最終更新:5/20(土) 13:31

毎日新聞