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孫子の兵法に見る川崎フロンターレの「ゼロトップ」戦術。鹿島とどう戦うのか

5/20(土) 20:20配信

投信1

2017年シーズンから風間八宏前監督(現名古屋グランパス監督)から川崎フロンターレ(以下、川崎F)の指揮官を引き継いだ鬼木達監督。しかし、川崎Fは開幕前後からけが人が続出。中心選手であるエウシーニョ(エウソン)選手や2017年シーズンに活躍が期待されている家長昭博選手(大宮アルディージャから移籍)も出場できずにいた。

一方、鬼木監督はけが人続出により選手配置に苦心しながらもACL(アジア・チャンピオンズリーグ)ではグループステージを首位で突破。今後もさらに勝ち進むことが期待されている。

また、2017年5月19日のJリーグでは昨年、チャンピオンシップ、天皇杯と川崎Fのタイトル獲得に立ちはだかった鹿島アントラーズを0-3で下し、好調だ。今回はその「鬼木フロンターレ」の戦術についてみていきたい。

個の技術を軸に戦術に広がり

2017年シーズンに入り、鬼木監督下では昨年からのボールを支配して対戦チームを圧倒するスタイルに加え、攻守の切り替えや球際の厳しさなど、個の技術に加えて、勝ちにこだわるエッセンスを植え付けている。元鹿島の鬼木監督らしさが加わっている印象だ。

その一端が現れたのが、2017年5月19日の対鹿島戦だ。鹿島の小笠原満男選手からのコーナーキック後、鈴木優磨選手が放ったシュートを川崎FのGKチョン・ソンリョン選手が好セーブ。そのこぼれ球を車屋紳太郎選手がドリブルで駆け上がり、長谷川竜也選手にスルーパスを送る。長谷川選手が相手を寄せ付けずに上手にドリブルでゴール前に持ち込み、シュート。そのシュートを鹿島のGKクォン・スンテ選手が一度ははじくが、詰めていた川崎Fの阿部浩之選手がきっちりゴール。カウンター攻撃できっちりと鹿島から先制点を獲得した。

川崎Fといえば、ゴールキーパーからディフェンス、ボランチとつないでしっかりとビルドアップをしていくというのがよく見られるパターンだ。昨年はカウンターを仕掛ける場面でも、味方の準備、人数が整うまでタメを作るようなプレーも見受けられた。ただ、今回は一気に攻めあがり、得点に結びつけた。鹿島の得意なカウンター攻撃のお株を奪うようなスタイルだ。

もちろん、川崎Fのビルドアップをしっかりし、フォーメーション通りにしっかり守る相手をパスをやり取りし、外に広げ、中に切り込むスタイルも健在だ。

実際、5月19日の試合で鹿島の石井正忠監督の「相手の両サイドハーフにボールが入ったとき、外側に追い出す守備を徹底すること」というハーフタイム時のコメントにあるように、川崎のサイドから中に切り込み、正面から攻撃をされるシーンについての注意をしている。

こうしてみると今年の川崎Fはボールを支配してゲームのイニシアティブをとるというこれまでのスタイルに、相手にスキがあれば、数的優位を確立していなくとも攻め込むというエッセンスを加えたことになる。

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最終更新:5/21(日) 7:20
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