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本河内水源地を重文に答申 文化審「水道史上価値高い」

長崎新聞 5/20(土) 9:39配信

 国の文化審議会(馬渕明子会長)は19日、明治期に造られた長崎市の近代上水道施設「本河内水源地水道施設」を重要文化財に指定するよう、松野博一文部科学相に答申した。同審議会は「貯水池を備えた水道施設の先駆け。わが国の水道史上、価値が高い」としている。早ければ今夏にも指定される。

 本河内水源地水道施設は▽高部堰堤(こうぶえんてい)▽高部配水池▽低部堰堤(ていぶえんてい)で構成。いずれも完成から110年以上過ぎているが、現在も活用されている。

 土造りの高部堰堤と、高部配水池は、1891(明治24)年完成の日本初のダム式水道施設。作業はすべて人力で、高度な技術と職人技がうかがえるという。当時、財政面を理由に大規模な建設反対運動が起こったが、井戸水の利用で多数の死者が出ていたコレラの感染を食い止めようと県令(知事)が断行した。

 その後、人口増加や給水区域の拡大で深刻となった水不足を解消しようと1903(明治36)年、低部堰堤が日本で2番目のコンクリート造りのダムとして建造された。審議会は「コンクリート技術が定着する黎明(れいめい)期の構造物」と評価した。

 近代化遺産に詳しい岡林隆敏長崎大名誉教授は「川が少ない長崎市の地形的な問題を近代技術で乗り越えた。長崎市の繁栄を象徴する貴重な構造物」と話している。

長崎新聞社

最終更新:5/20(土) 9:39

長崎新聞