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ライバルもお手上げ?「圧倒的な地位確立」に動き出したセブン-イレブン

ニュースイッチ 5/20(土) 9:40配信

ライバルは誰でしょう?「『変化するお客様のニーズ』です。」

 コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブンが2018年2月期を「圧倒的な地位の確立に向けたスタートの年」と位置付け、攻めの姿勢を鮮明にしている。日本でコンビニビジネスを構築した鈴木敏文氏がセブン&アイ・ホールディングス(HD)会長を退いて26日で1年。後を継いだ井阪隆一社長は一気に他社を突き放しにかかる。ファミリーマート、ローソンとの競合激化や中堅以下のコンビニの生き残り競争が本格化しそうだ。

 「売り上げシェア50%に向けてまい進する」―。井阪セブン&アイ・HD社長は独走態勢の確立を宣言した。

 セブンの店舗数は4月末時点で1万9453と国内最多だ。売上高ベースの17年2月期のシェアは42・7%。「各社ともなかなかセブンに追いつけない」(宮下直行ミニストップ会長)、「若干皮肉ではあるが、下位の優位は上位を研究できること」(高柳浩二ユニー・ファミリーマートホールディングス〈HD〉社長)と、競合他社のトップはその強さを口にする。

 「セブン―イレブン・ジャパンのライバルは誰でしょう?同業コンビニ?食品メーカー?商社?銀行?IT?公共機関?いいえ。ちがいます。ライバルは『変化するお客様のニーズ』です。」。セブンの新卒採用ページにはこう記されている。セブンは他社には目を留めず、我が道を進んできた感がある。

 同社は9月には加盟促進のため、加盟店が本部に納めるロイヤルティーを1%減額する。18年2月期は270億円を投じ、店舗レイアウトを変える。

 10年間で売り上げが約4割に落ちた雑誌や書籍を窓際の定位置から外し、働く女性や高齢者の増加でニーズが見込めるチルド弁当やカウンターフードを増やす。日販をさらに3万―4万円押し上げ、他社を引き離す構えだ。

ファミマ、ローソンは必至に食い下がる

 ファミマの店舗は10年間で2・5倍の1万8000超に増加。エーエム・ピーエムやココストアに続き、16年9月にサークルKサンクス親会社のユニーグループ・HDと合併した。

 ただ21年2月期末の店舗数見込みは現状からほとんど変わらない1万8500。「一定の規模は手に入れた」(高柳ユニー・ファミマHD社長)とし、サークルK、サンクスのファミマへのブランド転換に集中する。

 ローソンは現在1万3000超の国内店舗数を、22年2月期には1万8000にする目標を掲げた。実現すれば店舗数でセブン、ファミマとほぼ肩を並べる。同社はポプラやスリーエフなど中堅コンビニと手を組み、店舗を増やしてきた。ローソンの竹増貞信社長は「ネットワークをますます強化していく」と、提携拡大に含みを持たせる。

 数の争いの次は店舗の販売力強化だ。セブンは1日当たりの店舗売上高にあたる日販で他社と10万円以上の差をつける。その同社の商品力の源泉の一つが専用工場だ。おにぎりなどのデーリー商品については、ベンダーの9割以上が同社専用工場だ。

 石橋誠一郎セブン―イレブン・ジャパン取締役執行役員は「専用の設備、専用のレシピで作ることができる。設備投資を進め、質を追求している」という。ファミマも19年2月期までに専用工場化を進める方針だ。

 セブンと比べ、ファミマとローソンの強みは商社とのつながり。「伊藤忠商事を使い倒す」(高柳ユニー・ファミマHD社長)、「三菱商事グループの調達力を利用したい」(竹増ローソン社長)と意気込む。だが、商品力強化に結びつくかは現時点では未知数だ。

最終更新:5/20(土) 9:40

ニュースイッチ