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遺族が大変なだけの葬式やめませんか 「自宅葬」復活の背景を葬儀のプロに聞いた

5/20(土) 11:55配信

BuzzFeed Japan

葬式はゆっくりでいい。もっと自由でいい。

馬場さんが提案する自宅葬の特徴の1つが、約1週間という葬儀のスケジュールの長さだ。式場で行う一般的な葬儀は、葬儀社や会場の都合もあり、多くの場合4日程度ですべての行程を終わらせるという。

一方、馬場さんは遺族から葬儀の依頼があった場合、まず「今日は何もしないでください」と伝えるそうだ。

「何もしないで、一旦考えを整理してもらう。亡くなったことを理解し、冷静になる時間がないと、何が何だかわからない心理状態でお金の話をしなければいけなくなる」

ゆっくりヒアリングすることで、葬儀を思い出深いものにするための演出ができるという。例えば過去には、好きだった童謡をピアノで演奏しながら出棺したり、通夜の最中にサプライズで故人へのバースデーケーキを用意したこともあった。

馬場さんの願いは、葬儀にかけるお金の金額ではなく、意味のある使い方を考えてもらうことだという。
「鎌倉自宅葬儀社がターゲットとして考えていたのは、ベンツに乗る人よりも、プリウスに乗る人。かっこよさや見栄よりも、性能を重視する人。極端な話、仕出しはカップラーメンでもいいんです。故人を偲ぶものであればなんでも」

葬式はあくまでも遺族のためのものという原則が、馬場さんの考え方の根底にある。
自宅葬は選択肢の1つ。6畳一間でもできるシンプルな家族葬のイメージを広めていきたいと馬場さんは語った。

「葬式は要らない」というのは寂しい

もともと日本の葬儀は自宅葬が当たり前だった。1980年代以降、都心部では住宅問題や地域との連携の難しさから自宅葬が廃れ、代わりに式場での豪華な葬儀が一般的になった。

そこから徐々に「高額な葬儀は無駄」という風潮が進み、葬式は要らないという発想のもと、とことんシンプルな「直葬」というトレンドが生まれた。これは葬儀をしない「火葬のみ」のスタイル。2014年の鎌倉新書の調査では、関東圏における直葬の割合は20%を超えているという。

しかし馬場さんは、行き過ぎた簡略化には賛同しない。

「金銭的な理由は別として、葬式は無意味なものだから燃やすだけでいいよっていう感覚は、やっぱりわびしい。亡くなった方を偲ぶことができないと、弔いきれずに後悔すると思うんです」

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最終更新:5/20(土) 13:09
BuzzFeed Japan

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