ここから本文です

永瀬正敏インタ、「天国の祖父、友人に見て欲しい」映画「光」27日公開

スポーツ報知 5/20(土) 15:00配信

共に「生きた」弱視カメラマン

 俳優の永瀬正敏(50)が主演する映画「光」(河瀬直美監督)が27日に公開される。永瀬が演じたのは視力を奪われていく弱視のカメラマン。自身も写真家として活動するだけに「僕にとって特別な役」と思い入れは強い。一昨年の「あん」に続く河瀬監督とのタッグを振り返り、撮影中、2人のカメラマンに思いをはせたことも明かした。

【写真】映画「光」の撮影を無事に終えた(左から)永瀬正敏、河瀬直美監督、水崎綾女

20日も前から撮影部屋生活

 永瀬が演じる主人公・中森雅哉は、かつて人気写真家として活躍したが、病気で視力を奪われていく。撮影前には、5人もの視覚障害者に直接会って話を聞き、目の不自由な生活や心境をつかもうとした。「演じるのではなく、役を生きてほしい」という“河瀬流”にならい、クランクインの20日前から、撮影で使う雅哉のマンションで実際に生活。自ら撮影した写真も部屋に持ち込み、雅哉になりきっていった。

 「河瀬さんの作品は、役者として原点に戻らせていただける。脚本の中に書かれている人を生きるというのはどういうことなんだ、というのを思い返させてもらえますね。やりたくてもなかなかできない、スペシャルな経験でした」

 まさに雅哉となって生きた1か月。完成した作品を見て、言葉にならない感情があふれたという。「1人になりたくなって」。無言で会場から出てしまった。
 「自分の目が見えなくなる瞬間を、自分で見るような不思議な体験。古いアルバムをめくっていくというか、雅哉としてのドキュメンタリー、遺作を見ているような感じでした」

 撮影にあたり、2人のカメラマンが頭に浮かんだ。1人は、宮崎で写真館を営んでいた祖父。写真師として活動していたが、終戦直後、買い戻す約束で食料と交換したカメラを知人に持ち逃げされた。当時のカメラは高価で二度と同じものは買えず、写真の仕事から離れた。

河瀬監督に頼み現場に手加え

 「途中で写真を諦めざるを得なかった思いや、境遇がとても雅哉に似ていると思う。おじいちゃんは僕が物心つくころには、撮ってと言っても『ブランクが空き過ぎて、僕はもう撮れない』と、カメラすら持てなかった。その気持ちが今になるとすごくわかる。最初に台本を読ませていただいた時におじいちゃんの思いを心の中に抱えました。天国のおじいちゃんに見てほしい作品です」

1/3ページ

最終更新:5/20(土) 15:00

スポーツ報知