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「8K」テレビはシャープをリーディング企業に押し上げるか

5/20(土) 18:25配信

ニュースイッチ

鴻海とエコシテムづくり目指す

 シャープはフルハイビジョン(FHD)の16倍の解像度を持つ「8K」の業務用85型モニターを、2015年に、他社に先駆けて製品化した。放送局のパブリックビューイング用などに約100台を納入済みで、6月からは70型も受注生産を始める。8K実用放送が始まる18年12月に向けて、テレビなどの製品も増やし、8K市場のリーディングカンパニーの地位を築こうとしている。

 現在、国内で8K映像はBSの衛星試験放送があるのみ。FHDの4倍の解像度の「4K」映像もインターネット、ケーブルテレビの配信やブルーレイディスクが出始めた程度で、まだ普及しているとは言い難い。ただ、国内テレビ市場では販売台数の35%が4Kテレビに置き換わり、金額では70%を占める。

 喜多村和洋デジタル情報家電事業本部副事業本部長は「顧客の高精細ディスプレーへの要求は非常に強い。8Kへの反応は、4Kと同じスピードで拡大する」と見る。中でも「日本と、海外では中国を中心に急激に市民権を得る」と期待する。

 6月に投入する70型モニターは重量42・5キログラム、奥行き9・2センチメートルといずれも85型の約半分。室内で設置しやすいよう小型・軽量化した。価格は85型の約2分の1の800万円前後。受信機は従来比2分の1程度の700万円前後と大幅に価格を下げた。映像・デザインの制作現場向けや医療用8K内視鏡カメラとの組み合わせなど、利用機会を広げて販売の拡大を狙う。

 製品拡充では、8K用レコーダーなどの周辺機器や8K受信機の小型化を実現する大規模集積回路(LSI)も開発中。親会社の台湾・鴻海精密工業と共同出資する液晶製造会社は、中国・広州市に建設中の液晶工場でも、19年以降に8K液晶パネルの生産を始める計画だ。

 鴻海グループとともにテレビ、パネル、周辺機器などを総合した「8Kエコシステム」を他社に先駆けて構築し、パネル工場に積極投資する中国勢と真っ向勝負する構えだ。

日刊工業新聞大阪支社・錦織承平

最終更新:5/20(土) 18:25
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