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富山奮起 逃げ切る B1残留プレーオフ2回戦

5/20(土) 0:37配信

北日本新聞

■横浜下しB1死守

 試合終了のブザーとともにアリーナが揺れた。19日に東京都の国立代々木競技場第二体育館で行われたバスケットボール男子のBリーグ1部(B1)残留プレーオフ(PO)2回戦で、富山グラウジーズは後半に追い上げを見せた横浜ビー・コルセアーズを79-71で振り切った。最高峰の舞台に踏みとどまり、スタンドを埋めたブースターは割れんばかりの拍手を送って来季の奮起を期待した。

 富山は第1クオーターからウィラードの連続得点や水戸、宇都の得点などで一時15点のリードを奪った。第2クオーターは岡田がシュートを全て沈めるなど気を吐き、前半を37-28で折り返した。第3クオーターは横浜の猛烈な追い上げで一時逆転されたが、要所での小原のシュートやピットマンのダンクなどで7点差と再び引き離した。最終クオーターはヴァイニー、宇都らがフリースローを沈め、逃げ切った。

 横浜は28日、同競技場第一体育館で行われるB2(2部、18チーム)の3位チームとの入れ替え戦に臨む。


■岡田25得点 流れ呼ぶ

 全員で攻め、全員で守った。レギュラーシーズン3勝3敗の因縁の相手、横浜に対し、富山は前半と最終クオーターで圧倒した。

 序盤から富山のチームプレーががっちりとかみ合った。第1クオーターは宇都のパスを受けた水戸が速攻で得点。第2クオーターはインサイドの岡田が後ろに放ったパスをウィラードが受け、そのままダンク。選手同士の息の合ったプレーが流れを引き寄せた。

 相手にプレッシャーをかけ、簡単にシュートを打たせないチームディフェンスも光った。前半のシュート成功率は富山の56%に対して、横浜はわずか23・5%だった。

 中でもひときわ強い輝きを放ったのが、この日25得点の岡田だ。第2クオーターのシュート成功率は100%。第3クオーターでは1点差まで詰め寄られた場面で3点シュートを沈めたり、フリースローの好機で確実に得点を重ねたりと、持ち前の高確率のシュート力を存分に発揮した。「自分がB1に残すんだ」。残留への強い思いを見事に結実させた。

 ボブ・ナッシュヘッドコーチはブースターに向けて「(来季は)チャンピオンシップを戦おう」と力強く宣言。次のステージで戦う富山の勇姿が、今から待ち遠しい。(社会部・田辺泉季)


■宇都躍動 存在感発揮 チーム最多6アシスト

 シーズンを通して存在感を発揮し、チームの中心選手となった富山の背番号11。この日も宇都は誰よりも速く、アグレッシブにコートを駆けた。チームで唯一フル出場を果たし、鋭いドリブルで相手ディフェンスを翻弄(ほんろう)。的確なパスもさえ、チーム最多の6アシストを記録した。「負ける気がしなかった」と自信たっぷりに言い放った。

 今季新加入の25歳。前所属は強豪のトヨタ自動車アルバルク東京(現アルバルク東京)だった。「正直自分がいなくても勝ててしまうチーム。もっと自由にプレーしたい」と移籍を決意した。

 「野生動物のよう」。開幕当初の宇都をボブ・ナッシュヘッドコーチはこう表現する。だがシーズン中に負けが込み、ポイントガードとしてゲームメークに集中する場面と、自ら攻め込む場面を分けるスタイルを確立。「いつの間にか仲間との息も合うようになった」。アシスト数は一気に増え、終わってみればBリーグ「アシスト王」を獲得した。

 B1残留は決めたが、引き続き厳しい戦いが予想される。「次はチャンピオンシップで代々木に戻って来たい」。その目は早くも来季を見据えていた。(社会部・野村達也)


■「頑張ったのは選手」 ボブ・ナッシュHC

 「私は装飾品。頑張ったのは選手たちだ」。ボブ・ナッシュヘッドコーチ(HC)は誇らしげにベンチを見つめた。

 チームはレギュラーシーズン序盤に14連敗と大きく出遅れ、苦しい戦いを強いられた。だが指揮官は選手を信じ続けた。「ハードな練習に取り組み、決して後ろ向きになることなかった」。そんな信頼に、選手たちは懸命のプレーで応えた。

 ナッシュHCにはもう1人、この1勝をささげたい人がいた。昨年7月に亡くなった最愛の妻、ドムリンさん。「妻のためにも勝てて良かった」。試合後の会見場に置かれた遺影に優しく語り掛けた。

北日本新聞社

最終更新:5/20(土) 0:37
北日本新聞