ここから本文です

みちのく丸勇姿 「たたら侍」20日公開

Web東奥 5/20(土) 11:43配信

 ひとりの誠実な青年が戦乱の世にあらがい、おのれの生きる道を探して魂の彷徨(ほうこう)を重ねる-。話題映画「たたら侍」(LDH PICTURES配給、錦織良成監督)が20日、いよいよ全国公開される。青森県野辺地町所有の「復元北前型弁才船みちのく丸」による陸奥湾ロケが行われるなど、青森県ともゆかりの深い作品。日本の伝統と日本人の気高い精神を、美麗で雄大な映像と共に描き出している。
 「たたら侍」は人気ダンス&ボーカルグループEXILEのHIROさんによる初プロデュース作品で、主演は劇団EXILEの青柳翔さん。津川雅彦さん、弘前市ゆかりの奈良岡朋子さん、山本圭さん、高橋長英さんら日本を代表する名優と共に宮崎美子さん、甲本雅裕さんら、いぶし銀のようなバイプレーヤーが脇を固める。
 撮影では、1300年以上前から島根県の奥出雲に伝わる製鉄法「たたら吹き」の炉や中世の村落をリアルに復元。航海シーンも「みちのく丸」を使い、臨場感あふれるものとなった。
 日本映画で少なくなったフィルム撮影へのこだわりもポイント。スキャニングから仕上げまで高画質な4Kで行い、フィルムのパフォーマンスを最大限に生かした。先端のデジタル技術と昔ながらのアナログ技術を高水準で融合させ、映画の根幹となる高い映像表現に成功している。
 ◇
 「たたら侍」のロケは、陸奥湾内でも2日間にわたって行われた。野辺地町所有の「復元北前型弁才船みちのく丸」を走らせ、約30人の県民がエキストラ役や船の運航で参加。主人公が新たな夢に向かって故郷から旅立つ重要なシーンを撮影した。
 2015年8月末、夏空が広がり5メートルほどの程よい風が吹く中、海上ロケは順調に進んだ。中世の木造船を忠実に再現したみちのく丸は、白い帆いっぱいに海風をはらんだ雄姿を披露。35ミリフィルムカメラを小型船やヘリコプターに計3台載せ、臨場感あふれる映像を収めた。
 操船に協力した「青森セーリングクラブ」の会員らは主人公が意気揚々と船出する場面に船頭や水夫役で出演。また、裏方としてかじ取りのほか、巨大な帆を張るため十数人がかりで「ろくろ」という道具を回し、ロープで引き上げるなど、映像では見えない部分でも下支えした。
 「天候や風、波の高さともビンゴだった。無駄なく撮影が進んだ2日間だった」と振り返るのは同クラブ会長の福原啓文さん。「世界中でこの船を操れるのは私たちだけという自負がある。映画では帆を上げて航行するみちのく丸にもぜひ注目して見てほしい」と話している。
 ◇みちのく丸
 全長32メートル、全幅8.5メートル、帆柱の先までの高さ28メートルの木造船。旧・公益財団法人みちのく北方漁船博物館財団(青森市)が建造し、2011年に日本海沿岸11道県、13年に太平洋沿岸5都県を巡った。14年、野辺地町が同財団から無償譲渡を受けた。

東奥日報社

最終更新:5/20(土) 11:43

Web東奥