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村上春樹「幻のスワローズ詩集」を探してみた 文章に矛盾? 意外な真相とは

5/26(金) 7:00配信

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 ノーベル賞受賞も期待される世界的作家・村上春樹さん。私もファンですが、3年前から気になっていることがあります。村上さんが、ある文章で1982年に自費出版したと書いている「幻の詩集」は、どこにあるのだろうということです。読みたい一心で、まじめに探してみました。(朝日新聞デジタル編集部・信原 一貴)

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スワローズ公式サイトにて

 村上春樹さんは長年にわたる、ヤクルトスワローズのファンです。2013年からはスワローズ公式サイトに、神宮球場での観戦の思い出などを書いています。

 「『ヤクルト・スワローズ詩集』より」と題したメッセージを村上さんが寄せたのは、2014年でした。書き出しはこのようなものです。

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 「僕が『ヤクルト・スワローズ詩集』というささやかな書物を世に出したのは、1982年のことだった。長編小説『羊をめぐる冒険』を書き上げる少し前、曲がりなりにも小説家としてデビューしてから、既に三年が経っていた」――スワローズ公式サイト
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 メッセージには、当時スワローズについて「詩のようなもの」を書きためていたこと。なかば自費出版で詩集を500部つくったが、売れたのは300部ほどで、残りは知人らに配ったこと。いま村上さんの手元には2部しか残っていないことなどが、詳しくつづられています。

 この通りなら「幻の詩集」を誰かが大事に持っていても、おかしくありません。なら、ぜひ読んでみたい。探してみることにしました。

どこに聞いても

 メッセージには詩集を「知り合いの何軒かの書店に置かせてもらった」と書いてあります。まず、村上さんがジャズ喫茶を営みながら初期作品を書いた街、東京・千駄ケ谷の書店「ブックハウスゆう」を尋ねました。

 店主の斎藤祐さん(71)は「村上さんとは同じ商店街の仲間。デビュー直後のことも、よく知っているよ。ただ、ヤクルト・スワローズ詩集ねえ、見たことないなあ」。

 ほかにも野球に強い専門古書店、複数のファンサイト運営者、ファンが集まるカフェにも聞きましたが「見たことはないし、どこにあるかも分からない」との返事でした。

 東京ヤクルトスワローズの担当者も「メッセージの原稿を受け取っただけで、それ以上のことは分からない」と言います。

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最終更新:5/26(金) 11:19
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