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総合職フリーランスは「退職後はパート」以外の選択肢になるか

5/21(日) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

長時間労働の慣習、共働き経験のない世代の上司、家事育児をめぐる根強い性別分担ー。第一子の出産を機に離職する女性がいまだに6割を占めるように、日本では子育てしながら働き続けるのは容易なことではない。会社を辞めて子どもが大きくなればパートや派遣社員で復職するという流れがこれまで一般的だったが、昨今、退社後にフリーランスで働く選択肢をする女性も増えつつある。

子育て中の女性たちの写真

小1の壁できしみ出す

「勤められるものならそのまま会社員でいたかったです」

2人の娘を育てながら、都内の機械メーカーに正社員として働いていた橘桃音さん(39)は、2年前に会社を辞めた。長女が小学校1年生、保育園に通う次女が5歳のときのことだ。

10年勤めた会社は、男性が圧倒的に多い職場で、橘さんのいた事業所では社員50人中で正社員の女性は2人だった。育児休業の取得も橘さんが最初の一人で、自ら法律に基づいた制度を会社に提案したくらいだ。

延長保育が可能な保育園時代はなんとか乗り切ったものの、育児と仕事の両立生活がきしみ始めたのが、いわゆる「小1の壁」だ。

小学生が放課後に通う学童保育には、保育園と違い「延長保育」がない。長女も言われるままに預けられる年齢ではなくなり、学童保育を嫌がるようになった。

「この会社に女性は必要ないのか」

完全に心が離れたきっかけは、会社との交渉にあった。

子どもの体調急変による保育園からの呼び出しで、有給休暇は飛ぶようになくなっていた。有給休暇を時間単位で取得できるよう、ほかの事業所も含めて全社員の8割の署名を集めて人事に提出した。ところが、相手にもされずに却下された。

「この会社は、女性は必要ないんじゃないか」

そもそも女性のキャリアプランは一つもない。男性が昇級していく中で、橘さんら女性がどんなにがんばってもあくまでサポート職しか用意されない。何のために「小1の壁」に苦労しているのか。「無理してまで立ち向かうことはやめよう」。チーム仕事も好きだったし、安定した収入に厚生年金加入と、正社員のメリットは確かに大きい。泣く泣く辞める決断をした。

橘さんは現在、フリーライターとして活躍している。実は会社員時代からこつこつと続けていたブログが月間250万ページビューという人気ブログに成長。収益化に成功すると共に、仕事の依頼が舞い込むようになった。

「時間や場所に縛られずに働けることは、子育て中の主婦にとって非常にありがたい」。時短もとらずフルタイム共働きで働き続け、会社との交渉にも全力を投入してきたからこそ、身をもって実感する。

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最終更新:5/22(月) 18:51
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