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アニメ業界の問題をCGアニメは解決する…「正解するカド」プロデューサーが語る未来

5/21(日) 20:00配信

BuzzFeed Japan

CGアニメといえばディズニー映画「アナと雪の女王」など、いまや海外アニメの主流でヒット作も多い。日本でも近年、セル画のアニメに表現を近づかせる「セルルック」という手法を使ったCGアニメが増えている。美少女キャラなど日本アニメの特徴を活かしやすく、今年ヒットとなった「けものフレンズ」もこの手法で作られている。
【BuzzFeed Japan / 徳重辰典】

この流れの中、プリキュアやワンピースなどで知られるアニメ制作会社「東映アニメーション」が、テレビシリーズで初めてセルルックで3DCGアニメに挑戦している。4月7日からテレビ放送が開始したSFアニメ「正解するカド」(TOKYO MXほか)だ。

今作を手がける野口光一プロデューサーはハリウッド映画のVFX制作に携わった後、ポリゴン・ピクチュアズを経て東映アニメーションに入社。初プロデュース作品となる劇場版3DCGアニメ「楽園追放 -Expelled from Paradise-」をヒットさせるなど、長らく日本の3DCGアニメに携わってきた。

「正解するカド」は東京に突如現れた巨大な立方体「カド」、そこから現れた謎の存在ヤハクィザシュニナと翻弄される日本政府、そして2者を仲介する主人公・真道幸路朗が織りなす政治交渉劇。脚本を担当するのは小説家の野崎まどが担当する。

今敏監督の「妄想代理人」のような10年先、20年先に見ても面白い作品を目指したという野口プロデューサーにとっても、満足できる物語に仕上がったという。

「アニメは完成するまで何度も同じものを見るので苦痛なときはあるんですけど、この作品は何度見ても面白い。それはシナリオがしっかりしていて、絵作りがリンクしているから。『楽園追放』のときもそうでした」

また「登場するキャラはスーツだし、交渉劇だし、ロボットは出ない。CG業界で誰もやっていない作品で、あえて挑戦することで、もう一歩先のCGアニメーションになると思った」とCGアニメとして意欲的な作品という。

「楽園追放」ではグラフィニカに制作依頼したが、「正解するカド」では東映アニメーションのCG部で制作。現在所属するのは120人のうち約50人が関わる。
作品の舞台は現代。キャラクターの大半はスーツで、白衣を着た科学者も登場する。CGでは服が硬く見えるなど、服の表現は難しく、技術的なチャレンジだったという。

「ヤハクィザシュニナのマントは最初抵抗されました。2段のマントだし、ひもがあるし、CGでは難しいと。でも、私がもともとCG部にいたこともあり、『これに挑戦しよう』と言いやすかったのは社内で作ることのメリットでした」

作中で大きな存在感を見せる「カド」は、幾何学的な模様が常に動き、異世界のものでありながら、古代文明の雰囲気も漂わせる不思議な物体だ。

この「カド」を表現するのに使われたのが3Dフラクタルという技術。「カド」の模様は計算式をもとにリアルタイムで生み出されており、当初は1コマを作るのに二晩をかけるほど時間がかかるなど試行錯誤した。

「この技術を使う作品は世界中を見てもなかなかないと思います。最初で最期かもしれない。技術力とマシンパワーがいるので、これは東映アニメーションじゃないとできない」とこちらも大きな挑戦だった。

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最終更新:5/21(日) 20:00
BuzzFeed Japan