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「你去哪里?」(どこに行きますか) 中国語案内が評判な沖縄のバス運転手

5/21(日) 7:05配信

沖縄タイムス

 「你去哪里(ニーチュナーリ)? (どこに行きますか)」。那覇バスの14番路線を担当する比嘉健勇さん(51)=沖縄市=が、中国人や台湾人観光客に流ちょうな中国語で案内していると評判だ。那覇バスでは唯一中国語を話せる運転手。14番路線は首里城や国際通りを巡る観光客が多いルートで、得意の北京語を生かしながら日々ハンドルを握っている。(社会部・川野百合子)

 比嘉さんの父は沖縄市出身、母は中国ハルビンの出身で、自身はハルビンで生まれ育った。9歳の時に初めて来沖し、3カ月間だけ滞在。その後、15歳の時に一家で沖縄に移り住んだ。中部工業(現美来工科)高校卒業後、会社員を経て18年前にバス運転手になった。

 現在担当する14番路線は、いわば“那覇の観光地循環路線”。南風原町の新川営業所を起点に、首里城-国際通り-那覇バスターミナル-開南-識名園などを回る。

 中国語で案内を始めたのは15年ほど前。別の観光バス会社で運転手を務めながら、ガイドの案内を通訳していた。その後、路線担当になり、乗客にも北京語で案内を始めた。

 「“爆買い”の前は免税店も情報もなくて…。でも薬を買いたいという人が多かったから、市内の普通の薬局を案内した。どこのバス停から何番に乗って、降車のバス停まで教えた」と振り返る。最近は「外国人観光客の路線バス利用者も増え、また行動範囲も広くなっている」と説明する。

 バス停で中国系観光客を見掛けたら「你去哪里?」と中国語で話し掛ける。驚いたような不思議そうな顔をする相手に、北谷町のアメリカンビレッジや北中城村のライカム、豊見城市のあしびなーなど、目的地を尋ねる。県内95%の路線を覚えているため、より便利で分かりやすい乗り換え方法や路線を案内するという。

 「相手はシンガポールや香港、台湾、中国人。北京語で話して、通じなかったら紙に漢字で書いて伝えたこともある」

 もちろん海外観光客に限らず、県民や県外観光客にも丁寧な接客を心掛ける。人事部の西里憲仁さんも「採用する前から丁寧な案内がいいとの評判は耳に入っていた」と話す。

 比嘉さんは「お客さまのありがとうの一言が、どんな疲れも吹き飛ばす」と目を細める。「今後も安心・安全第一でお客さまに喜んでもらえるように頑張りたい」と意気込んだ。

最終更新:6/7(水) 9:05
沖縄タイムス