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池田瑞月の代表作、故郷に 金沢出身、植物一筋の日本画家

5/21(日) 1:55配信

北國新聞社

 金沢市出身で明治から昭和期に京都で活躍した日本画家池田瑞月(ずいげつ)の代表作「草(そう)木写生画巻(ぼくしゃせいがかん)」11巻が、昨年12月に81歳で亡くなった長男一路(いちろ)さん=京都市=の意向で、金沢市の石川県立美術館に寄託された。瑞月は精巧な植物画で評価を受けながら、故郷での認知度が低いため、一路さんが生前に「父の功績を金沢でも広めたい」と希望した。県立美術館は6月に作品を特別展示し、一路さんの遺志を引き継ぐ。

 瑞月は、画題を植物一筋に求め、生涯にわたって作品を描き続けた。昭和初期には大阪出身の実業家加賀正太郎が監修した植物図譜「蘭花譜(らんかふ)」の制作に参加し、芸術性だけでなく植物学的にも高い評価を受けた。

 「草木写生画巻」は1巻の長さ約10メートルの大作で、ケシやツバキ、シャクナゲなど約300種類の植物が描かれている。一路さんの長女が住む京都市のマンションに保管されていたが、2015年春ごろ、親交の深かった金澤神社の厚見正充宮司が「もっと保存環境のいい場所で管理した方がいい」と一路さんに進言し、石川県立美術館に寄託することになった。

 瑞月の作品は、13年12月に金沢市のしいのき迎賓館で展示しており、一路さんも病の身を押して京都から会場に駆け付け、父の足跡をたどった。厚見宮司によると、一路さんはよく「もう一度おやじが生まれ育った場所で展示会を開きたい」と口にしていたという。

 一路さんは晩年、病気で満足に動くことができず、昨年12月に県立美術館の職員が京都市まで作品を受け取りに訪れた。一路さんは作品を寄託した数日後、息を引き取った。

 6月1日~7月9日に県立美術館で開催される特別陳列「池田瑞月―草花へのまなざし―」(北國新聞社後援)では、「草木写生画巻」11巻のほか、「蘭花譜」の原画や金澤神社が所有する「洋蘭図(ようらんず)」など計約50点が展示される。

 厚見宮司は「一路さんの思いを胸に、瑞月の作品の魅力を地元で伝えていきたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:5/21(日) 8:57
北國新聞社