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東京湾のテロ対策、どこまで万全? 「もし相手が自爆テロだったら…」迫る東京五輪、尖閣警備との両立は

5/23(火) 7:05配信

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 「海の警察」海上保安庁(海保)が久しぶりに大がかりな訓練をすると聞き、巡視船に同乗して取材に行ってきました。舞台は東京湾。船で逃げるテロリストとの銃撃戦を想定した訓練もありました。近づく東京五輪でのテロ対策を意識したシナリオでしたが、いろんな課題が見えてきました。(朝日新聞政治部専門記者・藤田直央)

【写真特集】テロリストの銃撃に海保が「正当防衛射撃」 緊迫の海上訓練

尖閣で中断した大規模訓練、5年ぶり再開

 南西の風6メートル。晴天を時折、羽田へ着陸する民間機が横切ります。遠くには、小さくかすむ東京スカイツリーや東京ディズニーランド――。5月20日午後、千葉・浦安沖に海保の総合訓練で巡視船など15隻、航空機4機が集まり、2千人以上が参加しました。

 といっても、規模としては、かつて毎年開かれていた観閲式の3分の1程度。沖縄県の尖閣諸島周辺で中国船の領海などに侵入する事案が激増したため、海保挙げて対応しなくてはならなくなり、観閲式は2012年を最後に開かれていないのです。そんな中、今回は5年ぶりに大がかりな訓練となりました。

 横浜が拠点の第三管区海上保安本部が中心役を担い、久しぶりの大規模訓練を見ようと、多くの観客も集まりました。

シナリオは「銃撃戦の末に逮捕」

 ヘリコプターでの救助訓練が終わった午後2時半ごろ、テロ対策訓練が始まりました。武器密輸を企てたテロリスト役を乗せた「容疑船」と、それを追う巡視艇2隻が波を立て、報道陣らを乗せた船に近づいてきました。

 「停船せよ」。2隻はサイレンを鳴らし、スピーカーや電光掲示板で呼びかけます。振り切ろうとする容疑船の前に1隻が出て、強い破裂音や光を出す「警告弾」を投げつけます。すると、容疑船の甲板にテロリスト役がライフル銃を手に現れ、撃ってきました。

 パンパンパン。巡視艇からも銃声が響きます。「法令に基づく正当防衛射撃です」と報道陣が乗る巡視船でアナウンスがありました。相手が撃って初めて、同じぐらい撃ち返せる「警察比例の原則」です。

 テロリスト役は手を挙げて降参し、容疑船は停止。接近した巡視艇から海上保安官が飛び乗り、「逮捕」しました。「テロリストは連行され、取り調べなどの捜査によりテロの全容を解明していくことになります」。アナウンスが流れ、次の訓練へと移りました。

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最終更新:5/23(火) 7:05
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