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トヨタ自動車が大幅な減益決算、これまで増収増益だったのになぜ?

5/22(月) 15:00配信

THE PAGE

 圧倒的な高収益企業として知られるトヨタ自動車が大幅な減益決算を発表しました。これまで破竹の勢いだったトヨタ自動車に何が起こっているのでしょうか。

 トヨタ自動車は10日、2017年3月期決算を発表しました。売上高は前年比2.8%減の27兆5971億円、営業利益は前年比30.1%減少の1兆9943億円となりました。トヨタの売上高が前年度を下回ったのは、東日本大震災翌年の2012年3月期以来のことになります。

 これまで増収増益を続けてきたことを考えると少しショッキングな数字ですが、多くの業界関係者にとってそれほどの驚きはありません。このところ全世界的に自動車販売台数の伸びが鈍化しており、特に主戦場である北米市場の不調が顕著となっていたからです。

 2016年度における同社の自動車販売台数は897万台で、2015年度の868万台と比較すると3.3%伸びました。しかし、その前の2014年度は897万台、2013年度は911万台でしたから、基本的には販売台数は減少トレンドを示しています。これまで、トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーは、縮小が続く国内市場を北米市場でカバーしてきました。

 米国経済は基本的に順調で、賃金も上がっていますから市場環境は決して悪くありませんが、各社が北米に注力するあまり、かなり無理をして販売台数を積み上げてきたともいわれます。自動車メーカーは販促活動を活発にするため、営業を担当するディーラーに販売奨励金を支払っていますが、各社とも1割から2割、奨励金を増やしており、販売の現場は奨励金頼みという状況になっています。

 また今回の決算では為替レートが1ドル=108円程度となっており、円安による追い風を受けることはできませんでした。豊田章男社長は決算発表の場で「等身大の実力である」と述べ、業績が伸び悩んでいることを率直に認めています。同社では2018年3月期の販売台数について890万台とほぼ横ばいの見通しを示しているほか、営業利益については1兆6000億円と、さらに約4000億円の減益を見込んでいます。

 目先は販売台数の伸び悩みに直面していますが、中期的には電気自動車の台頭やAI(人工知能)によるクルマのサービス化など、自動車産業を取り巻く環境が大きく変わろうとしています。日本を代表するメーカーであり、自動車産業のリーダーの1社でもあるトヨタにとって、これからの数年間はまさに正念場といってよいでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5/29(月) 6:10
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