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「程よく田舎」「人が親切」 移住者語る茨城県の魅力

5/22(月) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

「300万県民」を称していた県人口が4月1日現在で290万人を割り込むなど、人口減少が懸念される中、県内自治体は本県への移住促進に力を入れている。県内市町村は県北地域を中心に1週間から3カ月程度の期間で安価に移住体験できる「お試し居住」を展開。県がポータルサイトを開設するなど移住者向けのPRが広がりを見せている。「大自然に囲まれている」「程よく田舎で都会も近い」などの理由で本県を選んだ移住者2人に茨城の良さなどを聞いた。

■「お試し」を活用

「山や海、自然がいっぱい。県北芸術祭でアートにも力を入れていた。何かの縁かなと思う」。香川県の小豆島にある土庄(とのしょう)町出身の末長沙千(さち)さん(26)は、今年3月から北茨城市に移住した。

大きな決め手となったのは「お試し居住」として昨年12月から3カ月間、同市華川町花園にある空き家を活用した住宅に住んだことだった。

大阪の大学を卒業後、岡山で就職し、和歌山県太地町に移ってイルカのトレーナーを1年間経験した。「自分の居るべき場所」を探す中で、昨年11月に知人と一緒に北茨城市を見学。その日のうちに、お試し移住を決めた。

森に囲まれ、川のせせらぎを聞きながら趣味の編み物や雑貨作りをする生活。探し求めていた場所だった。冬場には初めての雪かきも体験した。

「いろんな人が助けてくれる」のも魅力の一つ。お試し住宅を出た後も、近所だった民宿経営の山形克己さん(76)宅で甘酒造りを手伝う。山形さんは「娘みたいなもんだ」とかわいがる。

お祭りで甘酒売りをした際、隣のブースの人に「働いてみない?」と紹介されたアルバイトに就く。人の輪はどんどん広がる。

末長さんは「思いもよらない、予想もしないことが起きる」と、わくわくしながら日々を過ごす。

■サイト見て決定

4月から県職員に転職した松本悠さん(30)は、妻と4人の子どもと共に沖縄県からつくば市に移住した。鹿児島県吉野町出身。沖縄で大学時代を過ごし、そのまま同県庁に就職。東京にある国の機関に派遣された時、「関東周辺に行きたい」との思いが高まった。

茨城県の移住サイトを見て、移住者を支援する「県民証」に登録。昨年、茨城空港を使って県の採用試験を受けに来た。家族の理解の下、仕事を得て「都会に近い」本県へ。この間、笠間市のお試し住宅に1週間泊まり、茨城生活も体験した。

思いのほか自然が多く、小学3年の長男を筆頭に4人の男児が遊ぶ場には困らない。暮らしやすい理由として、松本さんも「人が親切」と話す。「沖縄は伝統的に親戚一同で子育ての面倒を見る。茨城は社会や地域が支えてくれる雰囲気かな」と受け止める。

県職員として仕事に追われながら、「沖縄県には転職を認めてもらえた。仕事を通じて沖縄に恩返ししたい」と考えている。 (黒崎哲夫)

茨城新聞社