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【オーストラリア】豪で給与税の大規模横領発覚 国税局高官の息子と娘ら9人逮捕

5/22(月) 11:30配信

NNA

 オーストラリア国税局(ATO)のマイケル・クランストン副税務局長(58)の息子や娘を含むグループ9人が18日、大規模な給与税の横領・詐欺にかかわった容疑で逮捕された。横領額は1億6,500万豪ドル(約137億円)に上り、納税関連の詐欺事件としては過去最大級だ。マイケル氏自身には横領の容疑は掛けられていないが、職権乱用の疑いで裁判所から出頭を命じられている。地元各メディアが伝えた。
 18日に連邦警察によるシドニー市内の30カ所弱の強制捜査が行われ、同副税務局長の息子のアダム・クランストン容疑者(30)と娘のローレン・クランストン容疑者(24)を含む9人が逮捕された。
 横領は、給与支払いと給与税の手続きを行う給与支払い代行企業プルタス・ペイロールを利用したもの。同社は2014年に立ち上げられ、その後逮捕されたアダム容疑者らが買収した。
 プルタスは、企業から労働者に支払う給与分を受け取ると、実際の業務を行う下請けの関連中小企業7社に資金を移動。7社は受注先の企業の労働者に対して給与を支払う一方で、企業の給与支払いに課税される給与税の手続きを行い、必要額を代行してATOに納税するはずだった。しかし、アダム容疑者らは、本来納税すべき給与税額のうち50~60%だけをATOに支払い、残りを横領していた。
 連邦警察が19日に行った記者会見によれば、逮捕された容疑者らを含むグループは「ぜいたくなライフスタイル」を送っており、合計でスポーツカーなど高級車25台、自家用機2機保有するほか、住宅を18カ所所有し、1,500万豪ドルの現金を所持していたという。さらに銃器や宝石、芸術品、高級ワインなども押収された。アダム容疑者は30万豪ドルの保釈金で保釈されたが、警察によってパスポートを取り上げられ、保釈中は国外に出ないよう命じられたという。
 マイケル氏はATOに勤務して35年以上で、脱税摘発の最前線で活躍していただけに、業界関係者はショックを隠せない。同氏は17日までATOで富裕層を対象にした脱税調査を主導していた。マイケル氏が有罪となった場合、禁錮5年の刑が言い渡される可能性もあるという。マイケル氏はアダム容疑者から特定の情報の提供を求められ、ATOの文書を渡したものとみられる。

最終更新:5/22(月) 11:30
NNA