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GDP 5四半期連続のプラス、本当に経済成長してるの?デフレが進んだだけ?

5/23(火) 12:00配信

THE PAGE

 内閣府が18日、2017年1~3月期のGDP(国内総生産)速報値を発表しました。物価の影響を除いた実質はプラス0.5%(年率換算ではプラス2.2%)となり、5四半期連続のプラス成長でした。大手メディアは「日本経済は回復している」と手放しで賞賛していますが、それは本当なのでしょうか。

 今期の結果で実質値が5四半期連続でプラスになったのは事実であり、これは11年ぶりのことになります。しかし、数字の中身をよく見ると少し様子が違っています。政府の意向とは逆にデフレが進み、これが計算上、GDPの数字を押し上げてしまっているのです。

 景気について議論する際には、通常、生の数字である名目GDPではなく、物価の影響を差し引いた実質GDPが用いられます。例えば名目GDPが2%成長でも、同じだけ物価が上がってしまえば国民の生活水準は向上しません。この時、物価上昇率が1%だった場合、この分を差し引いて実質GDPは1%と計算します。

 物価は上がることが多いので、一般的にはこの計算方法で問題はないのですが、物価が継続的に下落する状況、つまりデフレになってしまうと、このやり方は時に誤解を招くことになります。物価が下がれば下がるほど、実質GDPが高く計算されてしまうのです。例えば、名目GDPが1%成長で、もし物価上昇率がマイナス2%(2%下落している)だった場合には、1%からマイナス2%を引きますから、逆に数字は足されることになり、実質GDPは3%と計算されます。

 通常、物価が下がっている時というのは景気が悪い時です。実際、今回のGDPも、物価の影響を考慮しない名目GDPは0%とまったく成長していません。しかし、実質GDPを計算する際に用いられる物価指標であるGDPデフレーターがマイナス0.6%と大きく落ち込んだことで、実質値は大幅なプラスと計算されたわけです(つまり物価が安くなっている)。

 物価が下がって、見かけ上のGDPが上昇しても、生の経済が拡大していないというのでは本末転倒です。名目GDPが継続的に拡大することが重要であることは、安倍首相が繰り返し「名目GDPを600兆円にする(現在は540兆円程度)」と宣言していることからも明らかでしょう。つまり名目GDPが増えていなければ、本当の意味で景気が拡大しているとは言えないのです。

 デフレから脱却させれば、景気が拡大するのかという点については意見が分かれていますが、少なくとも、今回のGDPの結果は、脱デフレによって景気が拡大するという従来のシナリオとは異なる状態にあるといってよいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5/29(月) 6:06
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