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スマートファクトリー化に向け実証開始、日立とオークマが協業

5/22(月) 13:10配信

MONOist

 工作機械メーカーのオークマと日立製作所は2017年5月16日、IoT(モノのインターネット)を活用し、マスカスタマイゼーションに対応した高効率生産モデルの確立を目指し協業することを発表した。オークマが新たに建設した新工場「Dream Site2」において、実証モデルを立ち上げ成功の形を探る。今回の実証により新工場では生産性2倍、生産リードタイム半減を目指すとしている。

【進捗および稼働状況の監視システムの概念の画像】

●スマートファクトリーを目指した工場

 オークマでは2013年にスマートファクトリー化を意識した工場「Dream Site1」を建設。ICT(情報通信技術)を活用した工場運営などに取り組んできた※)。

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 一方、日立製作所は蓄積してきた製造業としてのノウハウを含むIT(情報技術)とOT(制御技術)に強みを持ち、これらを融合したIoTプラットフォーム「Lumada」などを展開。製造業およびスマートファクトリーなどに最適な「ソリューションコア」(データ共有の仕組みや人工知能機能、シミュレーション機能、データレイクなどを組み合わせたもの)なども用意している※)。

※)関連記事:IT×OTだけではない、日立のIoTを支える構造改革の経験

 これらのそれぞれのノウハウを生かし、今回、オークマと日立は、「生産の見える化の進化」と「工場制御周期の高速化」をテーマに新工場において、マスカスタマイゼーションに対応する高効率生産の実証モデルを構築した。

●「生産の見える化の進化」と「工場制御周期の高速化」

 実証モデルとして取り組む「生産の見える化の進化」は、IoTを活用し生産の進捗状況と設備の稼働状況の両データを収集、連携させて一元的に見える化するもの。さらに収集したデータを高度に分析できるシステムを開発して導入している。これにより、工程上のボトルネック(前工程の遅延や設備不具合)の特定や、全体最適な観点から見た対策までプロセスの迅速化を可能とする。

 これらを実現した次のステップとして、作業進捗や稼働状況の監視システムで収集、蓄積した現場データを活用し、人工知能(AI)関連技術を活用して自動学習によるシミュレーションを実施。従来は難しかった、変化する現場状況に応じた精度の高い生産スケジュールを自動生成するシステムへと進化させる方針だ。

 これらのシステムは日立製作所の「Lumada」において、産業分野向けソリューションコアの1つとして展開する「生産計画最適化ソリューション(Production Planning Optimization)」の機能として提供しているものだという。

 「工場制御周期の高速化」については、認識タグによりワークIDを取得し、同IDを活用した工程管理システムを導入。全ての加工部品が工場内のどこに、どの状態で存在しているか正確に把握できるようにするものである。IoTを駆使して時間単位や分単位の正確さで部品搬送の作業を指示でき、進捗および稼働状況監視システムとの連携で、生産進捗の把握精度を向上することが可能となる。

 今後、オークマでは、新工場の「Dream Site2」に加え、他の生産拠点への展開を検討する。さらに、実証を通じて得たノウハウや高付加価値マシンを「モノづくりサービス」ソリューションとして、自社の顧客向けに提供していく方針である。さらに、オークマと日立製作所は、ビジネスパートナーとして、両社によるサービス事業展開の協業モデルなどについても検討を進めるとしている。

最終更新:5/22(月) 13:10
MONOist