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ラティス、28nm FD-SOIのFPGA開発を決断

5/22(月) 22:19配信

EE Times Japan

■モバイル向けコア技術をIoTエッジ用途にも展開

 Lattice Semiconductor(ラティスセミコンダクター)は2017年5月19日、IoT(モノのインターネット)エッジ市場に向けた今後の製品展開などについて、東京都内で記者説明会を行った。この中で、28nm完全空乏型SOI(FD-SOI)技術を用いたFPGAを、2018年よりサンプル出荷する計画などを明らかにした。

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 同社は、消費電力が極めて小さいFPGA製品や、ビデオ接続向けpASSP/ASSP製品、60GHz帯ミリ波デバイスなどを開発、供給している。同社の社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるDarin G.Billerbeck氏は、「2012年に当社のポジションを明確にし、エッジ製品に向けた半導体デバイスの事業を展開してきた」と話す。データセンター向け装置などを主な事業対象とする競合のFPGAベンダーとは一線を画す。

 エッジ製品とは、「スマートシティ」や「スマートホーム」「スマートファクトリー」「スマートカー」などを実現するための機器やシステムである。例えば、スマートカーではサラウンドビューカメラや白線検知、衝突防止向けシステムなどを指す。スマートシティではドローンやスマートグリッド、交通監視カメラなどである。スマートファクトリーではマシンビジョン、ロボティクスなどがある。

 エッジ機器向けの次世代ICを開発していく上で、同社が採用を決めたのがFD-SOI技術である。Billerbeck氏は、「競合のFPGAベンダーは、ロジックの規模と性能を追求するために、FinFET技術を採用している。エッジ市場にフォーカスしている当社はFD-SOI技術を選択した。コストを考慮したロジック規模と性能を実現しつつ、FPGAの消費電力も最適化できる」のが理由だ。

 同社の試算によれば、28nmFD-SOIプロセスのFPGA製品は、同じプロセスのバルク製品と演算性能がほぼ同等で、従来の40nmFPGAに比べると8倍も高速である。ところが、電力効率を比べると、その差は大きい。28nmFD-SOI製品は、同じプロセスのバルク製品に比べて10倍、40nmFPGA製品に比べると100倍も改善されることが分かった。Billerbeck氏によれば、「FD-SOIプロセスのFPGA製品は2018年中にサンプル出荷を始める。製造はサムスンの工場で行う」ことになっている。

■“エッジにFPGA”の利点を強調

 Billerbeck氏は、エッジ製品にFPGAを採用するメリットもいくつか挙げた。例えば拡張性である。既存のシステムに機能追加する場合でも、現行のASICを活用しながら、新たに追加する機能のみをFPGAで実現することができる。新たに規格されたインタフェースのプロトコルを機器に対応させる場合でも、ブリッジ機能にFPGAを用いることでシステムの開発効率を高めることができるという。

 同社のFPGA製品やASSP、ミリ波デバイスなどを用いた応用事例として、「コンシューマー」「コミュニケーション&コンピューティング」「産業機器&自動車」などを挙げ、各製品の特長やその機能などを紹介した。さらに同社は、エッジ製品の開発エンジニア向けに、「エンベデッドビジョン開発キット」の提供を始めた。ロボットやドローン、先進運転支援システム(ADAS)、AR(拡張現実)システム、VR(仮想現実)システムなどに用いるビジョンシステムの早期開発を支援する。

 最後にBillerbeck氏は、車載分野への取り組みにも触れた。「車載用ICの信頼性試験基準であるAEC-Q100に対応したデバイスがこれまでは少なく、車載用途では知名度が低かった。すでに、MachXOやECP3などAEC-Q100に準拠したデバイスも増えてきた」という。引き続き、AEC-Q100規格に対応した製品の開発を積極的に展開していく考えであることを強調した。

最終更新:5/22(月) 22:19
EE Times Japan