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TPP11閣僚会合 米抜き 明示できず 各国思惑にずれ 7月に日本で高級事務レベル会合

5/22(月) 7:02配信

日本農業新聞

 【ハノイ玉井理美】離脱した米国を除く環太平洋連携協定(TPP)署名11カ国は21日、ベトナム・ハノイで閣僚会合を開き、米国復帰の方策を含めてTPPの早期発効を追求するとの声明を採択した。だが、11カ国での発効では一致できず、各国の思惑の違いが浮き彫りになった。各国は早期発効に向けた選択肢を検討するよう政府高官に指示。11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で発効に道筋をつける合意を目指す。7月に日本で高級事務レベル会合を開く。

 声明では「TPPの利益を実現する価値に合意し、原署名国の参加を促進する方策も含めた、早期発効のための選択肢を評価するプロセスを開始することに合意した」と表明した。

 また、APEC参加国・地域を念頭に「TPPの高い水準を受け入れる他のエコノミーを包含してTPPを拡大していくとのビジョンを併せて強調した」とTPPの拡大論にも言及した。

 閣僚会合には、日本から石原伸晃TPP担当相が出席。終了後、石原氏は「米国離脱後初めて、TPPの早期発効に向けた11カ国のコミットメントが明確に確認された」と11カ国の結束を強調した。

 今回の閣僚会合は、米国抜きでの発効に向けて11カ国がどこまで足並みをそろえられるかが焦点だった。だが、米国抜き発効を巡って各国の思惑の違いが露呈。米国復帰の方策を探ることで辛うじて結束を維持した。

 一方、同時開催のAPEC貿易相会合に出席していた米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、記者会見でTPP復帰の可能性を明確に否定した。

 日本政府は、米国との厳しい二国間交渉を避けるため、TPPを早期に発効させ、将来的に米国をTPPの枠組みに引き戻す戦略を描いていた。だが、米国抜き発効に前向きなのはニュージーランドやオーストラリアなど日本市場を狙う農産物輸出国だ。

 11カ国は11月の首脳会議に向け、TPP発効の具体的な方策の検討に入る。日本政府は議論を主導したい考えだが、各国の思惑のズレは大きい。仮に、米国抜きのTPPと日米の貿易交渉が並行した場合、農業分野などでTPPに上乗せして譲歩を迫られる恐れがある。国内外で難しい調整が迫られそうだ。

日本農業新聞

最終更新:5/22(月) 7:02
日本農業新聞